2023年度の「倒産発生率」0.257%、10年間で初めて9地区すべて倒産発生率上昇
倒産発生率は0.257%、2年連続で悪化
2023年度の倒産発生率(普通法人)は0.257%で、前年度から0.061ポイント悪化した。コロナ禍の2020年度からコロナ関連支援策が劇的な資金繰り緩和効果をみせて、企業倒産は歴史的な低水準をたどり、倒産発生率も2020年度0.204%、2021年度0.167%と低下が続いた。 だが、2022年度に入ると円安やウクライナ情勢などによる原材料や資材、エネルギーなどの価格上昇が起きた。さらに、経済活動が本格的に動き出すと人手不足も顕著となり、倒産が増勢に転じた。これに伴い倒産発生率も、2021年度を底に2022年度0.196%、2023年度0.257%と悪化をたどり、2023年度は2014年度以降の10年間で、2016年度(0.260%)に次ぐ4番目の高さとなった。 2024年4月、ゼロゼロ融資の返済開始が最後のピークを迎えた。円安で物価上昇は当面避けられず、コストアップが企業の資金繰りの重しになっている。企業倒産は増勢を強めており、倒産発生率も悪化をたどる可能性が高い。
【都道府県別】ワーストは島根県の0.374%
都道府県別は、悪化が45都道府県(前年度40都道府県)で、改善は2県(同7県)だった。 倒産発生率ワーストは、島根県の0.374%(前年度0.249%)。前年度は3位でワーストは2020年度以来、3年ぶり。2位は秋田県0.366%(前年度0.242%、6位)、3位が宮城県(同0.252%、2位)と群馬県(同0.186%、25位)の各0.339%、5位が岩手県0.326%(同0.210%、13位)の順。 前年度ワーストの富山県は0.303%(前年度0.257%)で、前年度より0.046ポイント悪化したが、全国8番目となった。 一方、倒産発生率が最も低かったのは、前年度46位の沖縄県の0.138%(前年度0.097%)。倒産発生率の改善は、福井県(0.177→0.171%)と長崎県(0.222→0.139%)の2県。 倒産発生率の悪化幅では、最大は群馬県の前年度比0.153ポイントアップ(0.186→0.339%)。次いで、山形県の同0.128ポイントアップ(0.183→0.311%)、島根県の同0.125ポイントアップ(0.249→0.374%)と続く。