【高校陸上】男子短距離・若菜敬(佐野高)「“世界”の経験を積んで、目指すは2028年ロス五輪!」
注目の高校アスリートをフォーカスして紹介するコーナー!今回は男子短距離の若菜敬選手(佐野高3栃木)です。今季はインターハイ200m優勝に加え、8月下旬に行われたU20世界選手権(ペルー・リマ)にも出場。10月の佐賀国民スポーツ大会(成年少年共通4×100mリレー)をもって、シーズンを終えたという若菜選手に、今季を振り返るととともに、今後の目標などもうかがいました。 若菜選手のプロフィールをチェック!
インターハイ200mV、U20世界選手権は準決勝へ
――2024年のシーズンが終了したとうかがいました。どんな1年でしたか。 若菜 今年はU20世界選手権でファイナル(決勝進出)に進んで、4年後のオリンピック出場につなげていきたいと、考えていました。しっかり準備してU20世界選手権に出場することはできましたが、準決勝で終わったので、僕としてはもう一歩だったのかなと思っています。 ――決勝に進めそうな手応えはあったのですか。 若菜 大会前のランキングでは6番(20秒61)だったので、ファイナルは行けるのではないかと思っていました。うまくいけばメダルも取れると思っていましたが、日本では体験したことのない海外大会特有の雰囲気に適応できなかったです。 ――国内の大会とは違いましたか。 若菜 夏の日本と違って現地は気温も低くて、まず気候で戸惑いました。実は現地に着いて体調もそんなに万全ではありませんでした。また、トラックの硬さの違いもありました。日本の高速トラックとはまた違う硬さでした。 ――海外選手の様子を教えてください。 若菜 200mで銀メダルを取った豪州の選手(ゴウト・ゴウト)が準決勝で同じ組だったのですが、レース前に大きな声を出して、その雰囲気に圧倒されました。 ――一緒に行った日本代表選手から参考になったことはありましたか。 若菜 僕もそうでしたが、パック入りのご飯やインスタントのみそ汁を持ってきた選手がいました。海外大会に行くと現地の食べ物や、大会の雰囲気に慣れるのも大事だと思いますが、日本にいるような、普段と同じペースで過ごすことも必要なのかなとも感じました。そういった面を含め、大きな経験を積むことができました。 ――福岡インターハイについて振り返っていただけますか。 若菜 U20世界選手権代表が決まっていたので、優勝してペルーに行きたかったので、勝ち切ることができて良かったです。 ――インターハイでは準決勝(20秒71/-0.2)、決勝(20秒61/+0.1=高校歴代4位)と、昨年出した自己ベスト(20秒78)を更新しました。 若菜 6月下旬のU20日本選手権で佐藤克樹選手(東京学館新潟2)に前半で大きくリードされて、2位に終わっていたので、インターハイでは「前半から意識的にもう少し速く入ろう」と考えていました。その結果、自己新を連発できました。決勝の前半は巻き返せる位置で走って、自信のある後半につなげることができたと思います。 ――シーズンを終えて今後必要なことを教えてください。 若菜 トップスピードを上げることは大切ですが、加速局面でいかに早くトップスピードに到達できるかが、課題だと思っています。そのために筋力を高めたりして、身体作りをしていくつもりです。当面は200mを中心にして、いずれは100mも力を入れていきたいです。 ――参考とする選手や手本となる選手はいますか。 若菜 パリ五輪男子200mで金メダルを取ったレツィレ・テボゴ(ボツワナ)や、ノア・ライルズ(米国)の動画は見ます。ただ、僕としては誰かのような走りではなく、自分のスタイルで特徴を出していきたいです。 ――今後の目標は。 若菜 200mで4年後のオリンピック出場が目標です。U20世界選手権に出ましたが、今後も世界のレースに出て、経験を増やしたいと思っています。