小林弘幸 便秘外来に来る男性患者は「60歳」を境に急増。<定年・還暦=終わり>のイメージが人にどんな影響を与えるのかというと…
「自律神経は50歳を過ぎると、野生動物であれば自然界で生きられないレベルまで下がる」――。そう語るのは、自律神経の名医・順天堂大学医学部の小林弘幸教授です。避けて通れない<老い>の真っただ中で、自律神経を整えて楽しく過ごしていくためには、どのような習慣を身に付けたら良いのでしょうか?今回は、小林教授の著書『老いが逃げていく10の習慣 自律神経さえ整えばすべてうまくいく』から、すぐに実践できる<老いない習慣>を一部ご紹介します。 【書影】自律神経の名医が、老け込まないコツを医学的視点から語る!小林弘幸『老いが逃げていく10の習慣 自律神経さえ整えばすべてうまくいく』 * * * * * * * ◆見ざる、言わざる、聞かざるに徹する 生きていく上で最大の難関ともいえるのが人間関係。そのすべてを握るのが、他人からどう思われたいか、という人からの評価です。 特に社会で生きていく上では、ご近所づきあいから会社の勤務査定まで、他人から評価されることばかり。組織に所属して生きている限りは、むしろすべてが人からの評価で成り立っているとも言えます。 上司から「あいつはダメだな」と思われたくない、同僚から「あの人はすごいなあ」と言われたい、中には目標をそこに設定して、そのためにがんばってきた方もいらっしゃるかもしれません。ところが自律神経の視点からいうと、人からの評価を気にすることは、相当自律神経を乱します。 私は日ごろから、本当の意味での人生の成功者というのは、プライドを捨てた人なのではないかと考えています。他人にどう思われようと関係ない、自分の道を信じて自分のやりたいことだけをやる人間こそ、人生の勝者なのではないかと思います。 もう人の評価を気にしなくてよい立場になるのが、定年後です。これまでは再三他人の目を気にして、評価されながら生きてきたかもしれませんが、そこから解放されるのが定年です。他人の基準を自分の基準に書き換えるチャンスです。 これをやったら評価が上がるのではないか、こうすれば売上に結び付くのではないか、そういった基準から、「自分は何をやりたいか」ここに人生の軸を置き換えるときです。
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