バレー久光製薬が女王 MVPの石井優希「優勝は久光にしか似合わない」
中田久美前監督が掲げたチーム作りが実を結ぼうとしている
若手の成長も「チーム力」を底上げした。今村優香はファイナルこそ出番がなかったが、今季がシーズンを通して先発出場が初めてという野本梨佳に代わって途中から、あるいは先発で出てチームを勢いづけた。「途中から出た今村、栄(絵里香)の力で勝てた試合もあった」と酒井監督。今村の存在が刺激となり、ファイナルでは野本が奮起した。 加藤光はピンチサーバーとしての活躍が光った。入ればサービスエース。8本のエースで流れを呼び寄せた。 先発リベロとしてファイナルを戦った戸江真奈も厳しいサーブにも耐え、攻撃陣を支えた。「戸江やリサ(新鍋)さんにカバーしてもらったから攻撃に集中できて得点できた」と石井優希も感謝していた。 タイムアウト時に、今村優香、森谷史佳、戸江真奈らが石井優希、岩坂名奈、アキンラデウォにも声を掛け、アドバイスするシーンもよく見られた。 「全員が戦力」。中田久美前監督が掲げたチームビルディングが実を結ぼうとしている。さらに日本代表にも選ばれた井上愛里沙、インカレMVPの比金みなみ、世界ジュニアで銅メダルを獲得した中川美柚という新戦力も加わった。井上はすでにリーグデビューも果たし、レセプションのできるサイドアタッカーに名を連ねている。
ひざの手術から1年、長岡望悠の復帰もまもなく
そして忘れてならないのが長岡望悠の存在だ。ひざを負傷し手術してから1年。すでにチームに帯同し練習も始めている。優勝に笑顔ものぞかせていた。試合前の練習ではスパイクも打っている。最後のピースが揃うのももうまもなくだろう。 V・プレミアリーグは久光製薬スプリングスの優勝で一旦幕を閉じ、今秋からはいよいよ新しい「V.LEAGUE」がスタートする。 「初代王者になれるように頑張ります!」。石井優希は目を輝かせた。