バレー久光製薬が女王 MVPの石井優希「優勝は久光にしか似合わない」
優勝へのバネとなった「3つの負け」
「どこのチームよりも久光(製薬)には『負けず嫌い』が多い。負けたくないという思いを持って一人ひとりが成長してきた」(岩坂名奈) 「3つの負け」の悔しさが優勝へのバネになった。 一つ目は昨シーズンの準優勝。負傷で戦列を離れた長岡望悠のためにも優勝をとファイナルに進んだが、NECに2戦ともフルセット負けし連覇を阻まれた。 「負けた悔しさは勝たないと晴らせない」(野本梨佳)「前回のシーズン、負けて悔しい思いをしているので、優勝を勝ち取るために積み重ねてきたものがあるから」(石井優希)。「今季は絶対に優勝する」と個々が自分に言い聞かせた。 二つ目は昨年末の天皇杯皇后杯。6連覇が有力視されていたが、まさかの準々決勝敗退。 「勝ち続けていた分、負けたダメージが大きく引きずってしまい、チームがばらばらになった。雰囲気も悪く、コミュニケーションもうまく取れなかった」と石井優希は振り返った。それでは勝てない。選手で何度もミーティングをしたという。「チームで話しあって、勝ちたい思いを共有しあった。メンバー入りしていない若い選手たちも、『こういうことでチームに貢献する、しっかり発言する』と。それでチームも徐々にまとまり、チームのために行動できれば、私たちなら優勝できる」そう思えるようになったという。 「天皇杯で悔しい思いをした。それを一人ひとりが見つめ直した。ああいう思いをしたくないからこそ、やるしかないという気持ちが大きくなった」と岩坂名奈も話した。 そして三つ目が結果的に今リーグで唯一の負けとなったファイナル6のJT戦。レギュラーラウンドを18年ぶりに21戦全勝で終え、ファイナル進出が懸かった決戦で「完敗」。今季もファイナル3に進むことになった。 「大事な試合で勝てないのは足りないものが多いから。ファイナル3が決まった時点で、負けを引きずるのではなく、次に向けての準備が大事だと思ったので、もう一回勝つための準備をしようと。気持ちや戦術も納得できるまで、これでいけるというところまで準備した」と新鍋理沙。 「あのときJTに負けたことはよかったことだった。負けたことでお尻に火がついて集中できたし、ファイナル3をポジティブに戦えるエネルギーになったから」とアキンラデウォ。 「負けたことでチームがまとまれた。いいチームワークが生まれた」と石井優希も振り返った。