「やりたいことがわからない」福田萌の目の前が開けた憧れの人からの「言葉」
憧れの人に会えた!
だから今年は「人見知りをやめる」をテーマに送ってきた。どこかに誘われたら、誰かと出会ったら、なんとかスケジュールを調整し、夫や母や義母やシッターさん、いろんな人を頼って、顔を出すように、お茶できるように努めた。ああ、そしたら、たくさんの素敵な出会い、意外な出会いがあった。憧れの人、画面の中で私にとって一方的にお馴染みだった人と、まさかの直接会って話す機会にも恵まれ、すごくハッピーな1年だった。「人見知りをやめる」って決めて、運気が上向きになった。 中でも印象的だったのが、11月にシンガポールでお会いしたレイチェル・チャンさんとの出会い。約10年前、長女が赤ちゃんの頃にレイチェルさんのJ-waveのラジオが大好きで、赤ちゃんと二人きりの午後に、穏やかで上品で、空気がふんわりとたゆたうような雰囲気の声のレイチェルさんの番組を心待ちにしていた。アールグレイの匂いで部屋中が満たされるような、上質で心ときめく時間だった。 私も出産直前までラジオパーソナリティを務めていたので、どうやったらレイチェルさんみたいに喋れるようになるんだろう? と練習したりしてみた。しかし、すぐ断念した。いやはや、これは天性の素質なんだろうな。どんな方なんだろう? きっと素敵な方なんだろうなと想像を巡らしていた。 そして、シンガポールの私の友人とのご縁で、10年越しの思いが届き、今回直接お会いできることに! これも「人見知りをやめた」私への神様からのご褒美としか思えなかった。
憧れの人に言われた「心のままに生きること」
実際のレイチェルさんは、私の想像していた以上に素敵な人だった。アールグレイの紅茶の雰囲気もあるけど、赤ワインのボトルと風船とクッキーが一緒になってお部屋にありそうな雰囲気。上品で洗練されているだけじゃなく、自由で可愛らしくって温かい、そんなイメージ。ずっと憧れていた人が想像以上に素敵で私は嬉しかった。 気づいたら私は私の悩みをレイチェルさんに吐露していた。「自分の本当にやりたいことが今はわからないんです」と。今の仕事や毎日の家事、子育てなども楽しんではいるけど、もっと自分にしかできない何かを見つけたい、でも具体的に何がしたいかわからない、というのがここ近年の私の悩みだった。 レイチェルさんは、優しくて可愛いお顔とアールグレイの声で私にこう言いました。「英語にHell Yesって言葉があるのを知っていますか? これは200%の強い“Yes”なんだけど、日常をHell Yesって思うことだけで埋め尽くしていったらどうでしょう?」そんな提案をしてくれました。 確かに、Hell Yesって思いながらお皿洗いすることはない。誰かがやらないと、後でさらに汚れたお皿が積み上がるから、仕方なくやっていた。そういう「仕方なく」こなしていたタスクの下に、ぎゅうぎゅうと自分の欲求が埋まってしまって、私は何がしたいのかがわからなくなっているのかもしれない。 「じゃあHell Yesと思えないことは、誰がやるんですか?」 「それは萌さん以外の人が。パートナーでもいいし、家事代行を頼んでもいい。誰もやらなくてもいい。とにかく、自分がやりたくないことはやらなくていいんです、もっとわがままになっていい」 なるほど。レイチェルさんの自由で可愛らしい雰囲気は、自分がやりたくないことはやらないと決めて、心のままに生きているからかもしれないな、と思った。