中邑真輔インタビュー、佐々木憂流迦は「残念だし痛々しい。完膚なきまでに叩き潰してやろうかな」
USタイトルを取るまでの数週間、一気に時計の針が進んだ
SHINSUKE NAKAMURA(中邑真輔)が日本のリングに帰ってくる。今年7月にWWE公演で来日を果たしたNAKAMURAだが、日本の団体のリングに参戦するのは2年ぶり。舞台は再びプロレスリング・ノアの元日興行。前回はグレート・ムタとの超異次元夢対決が実現したが、今回は自身がプロレス入りを薦めていたという佐々木憂流迦とのシングルが組まれた。2025年1月1日、NAKAMURAはどのような気持ちで日本武道館のリングに上がるのか。(取材・文=橋場了吾) 【写真】「これ長瀬智也だったんだ!」…中邑が帰国後集まっていた驚きのメンバー NAKAMURAはWWE東京公演初日に、LAナイトとケビン・オーエンズとのトリオを結成し、ソロ・シコア&タマ・トンガ&タンガ・ロアの“ブラッドライン”と対決。見事NAKAMURAが勝利を収めた。しかし、4か月の時を経て、ナイトを襲撃したNAKAMURAは11月末の『サバイバーシリーズPLE』でナイトの持つWWE US王座に挑戦し、見事戴冠を果たした。 「正直、ナイトはノーマークだったんですよ。あいつがNXTにいることは知っていたんですが、そこからメインロースターにあがって、要所要所でプロモを中心にスポットを浴びていて。しかもかなりのキャリアを積んでいますから、こんな“差し込み”もあるんだというのが率直な感想ですね。11月まで身を潜めていたので、出ていくときにはやはりシングルのチャンピオンを狙いたいなと。ナイトを襲撃して数週間、一気に時計の針が進み始めたって感じでしたね」 US王座を奪取した後も、NAKAMURAはナイトを襲撃。結果的にブラッドラインを援護する形になったため、今後どのようなスタンスを取るのか気になるファンも多いのだが……。 「ABEMAを見ろっつの(笑)。ただ次のSMACKDOWNは出ないよ、今日本にいるから(笑)」
憂流迦にライバルもいない、誰も文句を言わないのは違和感でしかない
NAKAMURAは2年ぶりにプロレスリング・ノアに上がる。2025年1月1日、日本武道館大会の対戦相手は、今年プロレスデビューし、デビュー半年でGHCナショナル王座を獲得した佐々木憂流迦だ。 「ノアには2009年に上がっていますけど、当時は新日本のライバル団体という見方ですよね。業界内で切磋琢磨しているというか。スタイルはやっぱり違うと思いましたよ。基本の教え方が違うと思いますし、リングの特性というか形状でスタイルも変わってくるのかなと。(憂流迦については)僕は誰でもプロレスに誘うんでね(笑)。彼はUFCと契約してニューヨークで生活して、これは相当な実力がないとできないことですから、格闘技の世界の成功者なわけで。僕がニューヨークに行くたびに声をかけて、一緒に練習したりもしましたよ。だからムタとの試合後に(憂流迦が)あいさつに来たときには、ここにいるならプロレスやるんだろうなと思ったら、やっぱり入ったかという感じですね」 その佐々木を、NAKAMURAはどのように見ているのだろうか。 「ライバルもいなけりゃ、推されていることに対して異論を唱える奴もいない。なんだか違和感がありますよね。憂流迦よりいい扱いを受けていない選手も、文句ひとつ言わないのかと。異例のスピード出世というのは、それだけのことを成し遂げてきたのかもしれないけど、ちやほやされてんのかなと。試合は発表されたときから始まっているんでね、まだまだ口撃は続けますよ。あいつが辿ってきた人生というか、培ってきた格闘技人生というものを武器にしているのかは気になりますよね。でも、ちょっと残念だったのは、最近の試合で滾ってからのキンシャサを出したんでしょ? それじゃあプロレスごっこを通り越して、中邑真輔ごっこだよと。そういう意味では、残念だし痛々しい。立ち直れないくらい完膚なきまでに叩き潰してやろうかな」 最後に2025年の抱負を聴いてみた。 「そうですね、健康に気をつけて(笑)。いや、レスラーとしてはこのキャリア・この年齢でまだ変化を楽しめる時期がやってきた、そしてベルトもそばにある。もっと先に一歩でも前に、というところはありますよ。まだまだ変化する中邑真輔を僕自身が楽しみたいなとは思っています。(筆者「変化といえばペイントを」と言いかけたところで)ペイントなんかしていないですよ、僕の感情が表に出ただけで。グレート・ムタから貰った毒が2年たった今回ってきたわけで、怒りとかフラストレーションとか、悪い負の感情を吐き出せるようになったということですよね。(1.1は)僕がやりたいようにやるっていうのが、僕の正解だと思うのでね」 〇…東京・日本武道館で開催される「ABEMA presents NOAH “THE NEW YEAR” 2025」はABEMA PPVで全試合独占生中継。佐々木とNAKAMURAのスペシャルシングルマッチ、王者・清宮海斗にOZAWAが挑戦するとGHCヘビー級選手権試合がダブルメインイベントとして行われる。
橋場了吾