女児のパンツを盗んだ男 繰り返された過ち 裁判から見えてきた保護司との不和、両親による監視、そして幼少期の記憶【前編】
■◇◇◇「信頼を大きく損なう」出来事が ――Y男被告の精神が不安的になったのは、保護司のせいだと思う? 「うーん…まぁ思っていた」 「とにかく『早く就職するように』と叱咤されていた」 「就職を急かされて、(Y男被告に)逃げ場が無いと思った」 「自分からも『ちょっと言わないでくれ』と、強い口調でお願いしに行った」 「しかし1対1だと態度が変わるようだった」 ――保護司に対して、強い口調でお願いしに行くことなど、保護司への尊敬の念が薄れることになるとは感じなかった? 「思ったが、今まで閉じこもっていた人間が大きな世界にいきなり放り出されるというのは大変なことだと思うので。子どもが優先になってしまいますね、僕からしたら」 「家庭事情」を「無視」するかのように、就職を促す保護司に対して、徐々に不信感を深めていったと明かす父親。その後に起こった『ある出来事』を契機に、保護司への信頼を大きく失ったと話した。 ■◇◇◇鑑別所への出頭 そこで待っていたのは ある時からY男被告は、保護司から『少年鑑別所への出頭』するよう促されるようになったという。 詳しい事情は分からないままに承諾し、少年鑑別所へ赴いたところ、まるで”だまし討ちに遭った”かのように「知能検査」を受けさせられのだと明かした。 父親は、保護司に対して疑心暗鬼を抱くようになったと振り返った。 裁判官が口を開いた。 ■◇◇◇「だからといってパンツ盗まないですよね?」 ――社会では誰もがストレスの掛かる状況に置かれることはあると思う。だからといってオナニーのために小さい子のパンツを盗むということは、普通の人はしない。性欲というのはなおらない。どうしていくつもりなの? 「今回はなかなか特別な例だと思う」 ――だからといってパンツを盗まないですよね。またやっている。今後どうしていくのかという質問をしている。 「うーん…そうですね…。家族ともう一度話し合い…うーん…監視体制が…今までこう…子どもを…。寝る時も一緒だったが、より強化して。十分に身に染みていると思う。絶対にさせないように言い聞かせて、更に対応していこうと思う」