女児のパンツを盗んだ男 繰り返された過ち 裁判から見えてきた保護司との不和、両親による監視、そして幼少期の記憶【前編】
それは白昼の犯行だった。 Y男被告は、目撃した住人によりその場で取り押さえられ、駆け付けた警察官により現行犯逮捕された。 保護司との面談が行われる前日の出来事だった。 ■◇◇◇いじめ受け「ほぼ不登校に」 証人として、Y男被告の父親が出廷した。 弁護士と検察官からの問い掛けに回答していく。 「(Y男被告は)中学校では、暴力をともなう結構ないじめを受けていた」 「3年生になるころには、ほぼ不登校となっていた」 いじめを受けたことで、社会との関りが希薄になっていったというY男被告だったが、専門学校では才能を見せるようになり、ゲーム関連のプログラミングを学ぶようになる。 『録音した親の声を使って、歌を歌わせること』もできたという。 ■◇◇◇再犯防止 寝食共にして監視続ける 2年前にさかのぼる。 水着を盗む目的で、白昼の小学校に侵入する事件を起こしたY男被告。 当時行われた裁判でも、同様に証人として出廷した父親は、再犯防止に向けてY男被告の監督を約束。 実際に、その後は妻と2人で寝食を共にしながら見守り、監視を続けてきたという。再び行われた今回の犯行は、その間隙を突くものだった。 また、保護観察付きの有罪判決を受けて以降、保護司との面談を欠かすことは無かったというY男被告。 しかし、その関係は良好では無かった。 「上から目線で『仕事をさっさと探せ』とかなり強い口調で言われたようだ」 Y男被告の父親は、検察官と弁護士からの質問に答える形で、当時の様子を振り返り証言する。 ■◇◇◇「死にたい」生じ始めた保護司との不和 「保護司から『両親に迷惑を掛けている』と勝手に言われた。また『引っ越したのはお前のせいだ』とも言われたようだ。(面談後)Y男被告は泣いていた」 「それについて後日、保護司を問いただすと『そんなこと言いましたっけ?』『自分は言っていない』と返答された」 Y男被告は、保護司との一連のやり取りを経て「ひどく落ち込み」、両親に対して「死にたいと」話すようになったという。