知らないと認知症生活は「真っ暗闇」に…ボケる前に「伝えておきたい」「まとめておきたい」13のリスト
累計188万部の大人気シリーズ『おとなの週刊現代』が大幅リニューアル!週刊現代で大反響だった記事の中から、相続や在宅介護など、「死後の手続きと生前準備」にまつわる記事を、加筆のうえ、ピックアップ。 【マンガ】「遺体がすごい形相で…」元火葬場職員が驚いた「ヤバすぎる事件」 〈第1部 知らないと損する死後の手続きの新常識〉、〈第2部 今日から始める生前準備のすべて〉、〈第3部 身の回りの整理整頓。人生の最期を考える〉の三部構成からなる『おとなの週刊現代 2024 vol.4 死後の手続きと生前準備』 (講談社MOOK) より一部抜粋・再編集して、人生の最期で失敗しないためのノウハウをお届けする。 『元気なうちに知っておきたい「認知症の方向け介護施設選び」にはコツがあった』より続く
ボケる前にまとめるべき「情報リスト」
スムーズに「認知症生活」に入るため真っ先に家族と共有しておきたいのは、かかりつけ医の情報だ。社会福祉士の渋澤氏が言う。 「かかりつけ医をご家族(とくに遠方の子供)に伝えておく、あるいは、一度ご家族も一緒にかかりつけ医に会っておくことはとても大切です。 かかりつけ医が一度家族に会っていれば、自分に認知症の兆候が出てきたときやなんらかの異変があったとき、家族に対して『そろそろ施設を考えたほうがいい』といった助言をしてくれることが期待できます。」 「どんな介護を受けたいか」については、前章で紹介した考え方を参考にしてもらいたい。
伝えておくべきことは意外と多い
介護生活が始まってからのことを考えると、好きな食べ物や趣味など「価値観」を伝えておくことも意義深い。 「介護施設で落ち着いて過ごすためにこうした情報はとても意味がある。たとえば、趣味が登山だった方が精神的に不安定なときに、登山の話をしてあげると落ち着くといった話はよく聞きます。 あとは好きな食べ物。食が進まないときにも好きなプリンなら食べられるとか、そういうこともよくありますね。本人が快適に過ごすうえでも、周囲が介護で苦労しないためにも重要な情報です」(渋澤氏) 認知症になると、その後死ぬまでのあいだ、明確に意思表示をするのが難しくなる。「死ぬ直前をどうするか」「死んだあとをどうするか」についても伝えておきたい。 筆頭は、終末期医療など病気の治療をどうするかに関する意向である。 たとえば、重篤な症状になったとき、最後まで積極的に治療をおこなってほしいのか、それとも緩和治療に移って穏やかに療養したいのか……そういった方針だ。 「病気の治療の方針については、書店やネットなどで入手できる『エンディングノート』にも記入する欄があるので、それを参考にしてみるといいでしょう」