知らないと認知症生活は「真っ暗闇」に…ボケる前に「伝えておきたい」「まとめておきたい」13のリスト
財産にかかわる事項も忘れずに
「死んだあと」については、「葬儀」と「お墓」に関する希望も忘れないようにしたい。 「葬儀は、もし想定できるのであれば、人数、場所、費用などを伝えておいていいと思います。いまは『樹木葬』などそれほどおカネがかからないシンプルな方法もありますが、それが選択肢に入っているのかも伝えておきたい。 お墓については、もう『墓じまい』をしてしまっていいのか、遺骨を遺族に代わって霊園や寺院が管理する『永代供養』の選択肢はあるのかなどがポイントになります」 資産は「家族信託」しておくのがおすすめだが、いますぐには家族と資産の情報を共有したくない人もいるかもしれない。そうした場合は、どんな資産を、どれくらいの額保有しているかもまとめておいたほうがいい。 「資産の額によって、認知症になったあとの生活―自宅か施設か、施設を選ぶ場合はそのグレード―は大きく左右されるので、資産の情報は非常に重要です。 資産の種類と、細かくなくていいのでそれぞれのざっくりとした額と情報をまとめ、『資産の情報をノートにまとめていること』を伝えておいたほうがいい」 すでに、どこに預金口座を持っているかはまとめている人も多いかもしれないが、不動産(住所や登記情報)、保険(契約先の企業や証書の場所)、証券(種類とおおまかな額)、クレジットカード(枚数と種類)などの情報はまとめるのを忘れがちだ。家族が諸々の手続きで混乱しないためにも、一覧にしておきたい。
従来の終活準備では足りなくなってきた
IT化が進んだいま、資産の情報をまとめるときに同時にまとめておきたいのが、PCやメール、スマホのパスワードだ。資産とともにノートにまとめておくと、家族が、自分がネット経由で契約した各種サービスを把握したり、知人に連絡したりするのに役立つ。 こうしたノートの管理の選択肢は二つ。一つは、ノートは自宅で保管し、保管場所についてのメモをよく使うカバンや財布に入れておく方法。もう一つは、ノートを預かるサービスをおこなう税理士、司法書士などに相談するというやり方だ。 贈与や相続についての希望も重要だ。認知症になったあとでは、意向を示すことが難しくなる。ノートにまとめるだけでは法的拘束力がなく意向が実現しない場合もあるので、「家族信託」を結んだり、遺言書を作ったりしておこう。 「意外に忘れがちなのが、交友関係や友人の連絡先です。認知症になると、自分では現状を伝えたくても伝えられません。認知症になったとき、あるいは重篤な病気になったときに、『誰になにを伝えてほしいのか』をまとめておくと、託された家族が動きやすい」(東京国際司法書士事務所代表・鈴木敏弘氏) これだけまとめておけば家族も混乱しない。「情報」の備えは万全だ。 『突然の「遠距離介護」、月々かかるおカネはいくら…?柴田理恵さんが明かす「介護との向き合い方」』へ続く 『週刊現代別冊 おとなの週刊現代 2024 vol.4 死後の手続きと生前準備』が好評発売中! 累計188万部の大人気シリーズが、大幅リニューアルでさらにわかりやすくなりました! 週刊現代の大反響記事を、加筆のうえ、ギュッとまとめた一冊です。
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