秋篠宮さま55歳に(会見全文)本人たちが本当にそういう気持ちであれば、親として尊重すべきもの
困難な状況にある人に「心を寄せていく」
記者:ありがとうございます。2つ目の質問に移ります。新型コロナウイルスの感染拡大により、皇室関連行事も延期や中止を余儀なくされ、人々と直接触れ合う機会が減少しました。一方で、ご一家ではオンラインを積極的に活用し、専門家によるご進講や国民との交流を続けられました。オンラインを活用して感じた手応えと課題についてお聞かせください。また、このような時代において、皇室が果たし得る役割や活動のあり方についてどう考えでしょうか。 秋篠宮さま:そうですね、このコロナ禍において私の生活も今までとは大きく変わりました。今までであれば、何か式典があったりとかする時には、もちろん東京都内もありますし、それから他の県で行われればそこに赴き、そしてその式典なり、主たる行事以外にもその地域に関連するところを訪ねて、いろいろと見聞する機会がありました。しかしながら、このように感染症が多くなっている時期には、そういうことは、人が特に多く集まるような催し物というのはできません。そうするとやはり、まず考えられることというのがオンラインになるわけですね。例えば、ある催し物が現地で行われない時もありますし、それから規模を縮小して行われることもあります。そういう時に、その行く予定だったものについて、やはりどういったものかということを、話を聞いておくというのは大切なことだと思います。そういう時に現地とつないで、画面上ではありますけれども説明を聞くことが幾度かありました。 またCOVID-19について、やはり私、それから私の家族も理解を深める必要があると感じていましたので、これも関係者は東京都内でないこともあります。そういう人たちから、度々にオンラインで話を聞きました。ある意味非常に、こういう時にあって有効な手段だと思いますし、なんといっても顔が見えて、電話と違ってですね、顔が見えて、それでお互いにやりとりをすることができるというのは、非常に便利であるというふうに考えます。 しかし、一方でやはりこの、対面で話すのとは少し違う、どこかに大きな、あのなんて言うんですかね、タイムラグというわけではないですけれども、ちょっとした時のやりとりというのに難しさを感じることはあります。また、ある程度のこの、例えばシンポジウムのようなものの場合に、まだオンラインだけならいいかもしれないんですが、今後はおそらく対面、というかリアルなものと、オンラインとの両方をハイブリッドで行うということが結構多くなってくるんではないかなと思うんですね。 私もわずかな経験ですけれども、自分はウェブ上で参加していたわけなんですけども、やはりその時に実際の会場にいる人たちと、それから画面で参加している人間とで、やはりちょっとした温度差があるなと。そういうあたり、今後工夫の余地が多分あるのではないかと思いますし、またもちろん使っているシステムによって使い勝手が違うとか。ただ、だんだんに私たちもそういうことに慣れていくんではないかというふうに思っています。 えーっと、こういう時代の? 記者:皇室が果たし得る役割や活動のあり方についてどのようにお考えでしょうか。 秋篠宮さま:そうですね、こういう今のような時代、これはまた、これからも起こり得ることかと思います。こういう時代にあって、なかなかその、役割とかあり方というのは難しいわけですけれども、特にその、何か実質的に、私以前、自然災害があった場所を訪ねたりとか、そして現地の様子を見て、被災した人から話を聞いて、ということを折々、時折そういう機会がありましたけれども、今回みたいな時にはそういうわけにはなかなかいきません。そうすると、やはりその役割としては、今の現状で非常に困難な状況にある人、そしてその人たちを支援している人たち、そのことをできる限り理解することに努め、そして心を寄せていくことではないかなというふうに思います。 そしてまた、あり方についてですが、やはりその状況その状況に応じた対応というものが必要になってくるのではないかと思います。ですから、その時々に合わせて何をすることができるか、ということを常に考えていくということが大事なように思います。