「NHKは一銭も出してくれない」美川憲一の“紅白ド派手衣装”は「自腹」だった! 衝撃のお値段を本人が明かす
「ド派手な衣装と演出でウケるのは病みつきになる快感」
マスコミも視聴者も毎年のようにさっちゃんと私の衣装を楽しみにしてくれるようになったけど、本番までどんな衣装を準備しているかはお互い秘密にしていたわ。面白くならないから、探りを入れようとも思わなかった。そもそもさっちゃんのは衣装というより「装置」。私はちゃんと動ける「衣装」だから、かぶりようがないわよ。 あの頃は私とさっちゃんの「不仲説」もよくささやかれていたわね。でも、実際は不仲でもなんでもなくて、彼女とは今でも年に1度は二人で食事をする関係なの。もちろん仕事の話なんてせずに、たわいのないことをとりとめなくおしゃべりするだけだけれどね。 派手な衣装でお客さんが喜んでくださるのは、とにかく歌手冥利に尽きるところがあったわ。落ち込んだりふさぎ込んだりしているお客さんが私のド派手なショーを見て元気になってくれる。何よりド派手な衣装と演出でウケるのは病みつきになる快感だった。
紅白出場は永遠ではない
でも、紅白出場が永遠でないのは身に染みて分かっていた。一度、落選を経験していたからね。 終わりが来たときのことは今でも忘れない。09年の暮れ、NHKで「のど自慢」の収録をしていたんだけど、スタジオに紅白の関係者がやってきて「今年で卒業してほしい」って。 正直、そろそろだろうなとは思っていたのよ。だって「さそり座の女」を歌うのももう7回目だったのよ。豪華衣装も好き放題やらせてもらって、衣装チームの中でも「あとは濡らすか燃やすかしかない……」と半分本気で笑い合っていたくらい。だから、卒業を伝えられたときも「あ、そう。はい分かりました」って。あまりにシラーっとしているから、周りにいたレコード会社の人なんかが「すごい根性してるな」って。 でも、それがその時の偽りなき心情だった。ちょうどロスにコンドミニアムを買った頃だったから「あぁ、やっとこれで年末年始にゆっくりできるわ」ってウキウキしていたわよ。