【5番勝負】ホンダEクラッチ vs ヤマハY-AMTを比較試乗! 制御が巧みなのは? 乗っていて楽なのはどっち?【インプレ】
【その3】楽ちんに走れるのはどっち?
最初に結論めいたことを言ってしまえば、トータルではY-AMTのほうが上回るだろうか。ただ、ATモードがあるからといって手放しに『圧勝!』と言えない側面もある。 Eクラッチは前述しているようにMT機構のクラッチ操作のみを自動化したもので、走行にあたってはギヤシフト操作が必須になる。とはいえ信号待ちなどの停止時にもクラッチ操作は不要で、渋滞のノロノロ運転でも適切なギヤに設定した後はスロットル操作のみで走行可能だ。ロングツーリングなど長時間走行になってくるとシフト操作疲れが出てくるかもしれないが、1~2時間程度の走行であればクラッチ操作がないだけでずいぶん楽ちんだったのは間違いない。 ──頻繁なギヤシフトを必要としない高速道路であればクイックシフター装備車両と同程度の快適さだ。 ※写真のライダーは丸山浩さんと宮田健一さん
Y-AMTについては、ATモードのシフト操作にややクセがあり、快適なシーンとそうでもないシーンがあった。 独特なのは、3速以上のギヤでは常に3000rpm以上を保つように強制シフトダウンされるところ。街中や、流れがゆっくり気味の高速道路など、瞬発的な加速を必要と思わないようなシーンでは、サッサとシフトアップして6速に入れたいところだが、手動によるシフトアップ操作の介入も3000rpmを割り込みそうな場面では受け付けてもらえない。 シフトアップをATモードに任せて穏やかなスロットル操作で加速していったとき、6速に入るのは83km/hから。また、エンジンブレーキでゆるやかに減速していったとき、77km/hで5速に落ちることがわかった。 流れのいい高速道路を走る、あるいは街中でもアクティブな気分で機敏に走りたいときはいいのだが、ライダーは1日中同じ環境や気分で走っているわけではないので、ATモードがハマらないときはMTモードに切り替え、左手元のレバーでシフト操作をしたくなる。 ──左手でシフトレバーを操作するY-AMTは、ウインカー操作があまり必要ない環境であればMTモードでも快適に走ることができる。