【5番勝負】ホンダEクラッチ vs ヤマハY-AMTを比較試乗! 制御が巧みなのは? 乗っていて楽なのはどっち?【インプレ】
【結論その4】
文句なしにY-AMTの勝利。ただし、ベースマシンの性格や素性(電子制御スロットルの有無など)によってはもっと接戦になる可能性もありそうだ。
【その5】個別のシーンでの特徴はわかった。じゃあ愛車として欲しくなるのはどっち?
ここまでの比較ではどちらも優位になるシーンがそれぞれにあり、甲乙つけがたいとも一長一短とも言えそうだ。 じゃあ総合してみたらどっちがいいのよ、とお思いでしょう。 個人的なところで回答するなら、筆者の場合はCB650Rを選ぶことになると思う。使い道が街乗りメインというか圧倒的に街乗りばかりであり、片道1時間以上を連続して乗ることは年に数回程度。この範囲であればシフト操作は大して苦にならないし、交通の流れに乗って走る際にクラッチ操作をサボることもできる。ちょうどいい塩梅なのだ。 とはいえ、MT-09 Y-AMTもけっして悪くはない。プライベートの時間にもう少し余裕があって郊外に走りに行ったりできるのであれば、またはワインディングがそれほど遠くないエリアに住んでいるなら、こちらを選ぶ可能性も十分にある。 ──クラッチレバーとシフトペダルを装備するホンダEクラッチ。シーンに応じてライダーがどう扱うか選択肢が多い。 ──MT-09 Y-AMTはクラッチレバーもシフトペダルもなく、その代わりに左スイッチボックス下にあるレバースイッチでシフト操作を行うことができる。ATモードを備えるため、クラッチ&シフト操作を完全にマシン任せにすることも可能だ。ウインカースイッチに新機軸を投入しているため、慣れるまではちょっと苦戦するかもしれない。
客観的に見るなら、どちらの機構もベースマシンのコンセプトに沿ったセッティングに仕上げられていると思うので、それこそ好みだけで選んでも後悔しないんじゃないだろうか。 “楽しく元気よく”のMT-09にはこのY-AMTのセッティングがぴったりだと思えるし、日常の使い勝手とスポーツ性を高めたCB650R、スポーティさをさらにプラスしたCBR650RにもEクラッチの仕上がりはど真ん中にちょうどいい。 ミラノショーで発表された新型ヤマハMT-07 Y-AMTであれば、もっと素早くシフトアップしていく設定だというし、軽快な操縦性と日常の扱いやすさをきっちり両立してくれることだろう。また、トレーサー9シリーズなどへの展開を経てY-AMTのセッティングも煮詰めが進むはずだ。 Eクラッチについては、次に搭載するマシンがレブル250/CL250と言われており、日常の使い勝手に間口を広げる意図が見える。