まだまだ要注意!高齢者や介護中の人が留意すべき「脱水」と正しい対処法「経口補水液の使い方が間違っている人も」【管理栄養士解説】
【ペットボトルで手軽に作る経口補水液の作り方】
・水:ペットボトル500ml ・砂糖:20g(ペットボトルキャップ3杯) ・塩:1.5g(ひとつまみ) ・お好みでレモン汁 少々 材料をペットボトルに入れてよく振り混ぜる。計量スプーンを使わず、ペットボトルのキャップで3杯すくうと、砂糖約20gに相当します。 なお、冷蔵庫で保管し当日中に使用し、残ったものは廃棄しましょう。
高齢者のための脱水を予防する生活習慣5
夏場だけでなく、普段から脱水にならない生活習慣を心がけておくのが、熱中症や脱水予防のためになります。
【1】1日にコップ6杯の水分を
水分の必要量は、生活活動レベルが低い高齢者などは、1日2300~2500 ml程度とされています。 すべて飲み物で摂取するのではなく、食事に含まれる水分(約800ml)や、体内で代謝が行われるときに発生する代謝水(300ml)も含まれています。 飲み物で摂るべきなのは、最低1200mlほどと考えておくといいでしょう。これは、コップ1杯(200ml)を6回程度となります。
【2】入浴前と入浴後など生活の中に水分補給を組み込む
起床時、朝食時、昼食時、夕食時、入浴前、入浴後、就寝前に、意識して水分補給を行いましょう。飲むタイミングを決めて習慣化すると忘れずに水分補給ができるのでおすすめです。 また、寝たきりの高齢者の場合は、活動量が少ないため必要水分量はさらに少なくなりますが、自力で飲むのは難しい場合が多いので介護者がこまめに飲水を促す・介助を行う必要があります。
【3】食事からも水分は摂れるが栄養面も考えて
脱水予防には3食しっかりと食事をとることが基本です。高齢になると食事量が減少してしまい一回の食事から摂れる水分量も減ってしまいます。 栄養面から考えると、食事中の水分量が多すぎるとそれだけでお腹が一杯になってしまい、栄養が不足してしまうことも。噛む力や飲み込む力に問題のないかたは、できるだけいろいろな種類の食材を取り入れて、ビタミンやミネラルなどさまざまな栄養を補給しましょう。
【4】水分を維持するために筋肉量を減らさない
また、水分を貯蔵するための筋肉量を減らさないためには、毎食1品はたんぱく質食品(肉・魚・卵・大豆製品)を摂るようにしたいもの。 噛む力や飲み込む力に心配があるかたは、柔らかく煮る・茹でる・つぶすなど調理法を工夫しながら、片栗粉やとろみ剤などを使って、あんかけなどのとろみをつけるなどして、食べやすいものを作ることで食事量をできるだけ維持していきましょう。
【5】水分補給として“おやつ”も活用する
ゼリーやプリンなど水分量の多いおやつを選ぶのも摂取水分量の維持にはおすすめです。 *** 高齢者がとくに注意すべき「脱水」は、ご自身で予防できるのがいちばんですが、介護が必要なかたの場合は、なかなか難しいもの。近くにいる介護者のサポートが必要不可欠です。まずは「脱水」について知り、積極的に予防に努めましょう。 ※参考 環境省「熱中症予防情報サイト」 「高齢者の栄養管理パーフェクトガイド」(医歯薬出版)、「栄養療法ハンドブック」(南江堂)