年末の風物詩「創作四字熟語」の作品募集中 選考担当者「みんなを明るく元気にしていただける作品を応募いただけたら」
去年は「アレ貫徹」、今年はどんな創作四字熟語が?━━。住友生命保険は、1年の出来事を漢字四文字で振り返る「創作四字熟語」の募集を行っている。今年で35回目を迎えるが、近年では2万を超える応募があり、年末には書道パフォーマンスで最優秀作品や優秀作品を発表するのが風物詩となっている。これだけの応募の中からどのようにして選出しているのだろうか。同社の選考担当者に話を聞いてみた。 【動画】2023年の世相を反映した「第34回 創作四字熟語」発表時の様子(2023年12月19日)
一年の出来事を漢字四文字で振り返り「その年に感じたことを漢字に託す」
同社によると、この「創作四字熟語」は、一年の出来事を漢字四文字で振り返り「その年に感じたことを漢字に託す」という概念のもと、毎年募集しているという。 しかし、なぜ同社でこのような企画が生まれたのだろうか。 同社大阪広報センターセンター長の谷口宜さんは「元々は全国の営業職員がお客様を訪問した時の話題づくりとして、なにか提供できるものはないか? というところから、お客様にもご応募いただけるものとして始まりました」と教えてくれた。
1990年は「異旗統合(意気投合)」、昨年は「アレ貫徹(初志貫徹)」
この募集が始まった1990年の最優秀作品は、東西ドイツの統合を表した「異旗統合(意気投合)」。 昨年2023年は、38年ぶりに優勝したプロ野球・阪神タイガースで話題となった「アレ」をもじった「アレ貫徹(初志貫徹)」が選ばれている。 漢字四文字でその年の世相を表す創作四字熟語だが、入社以来、約20年にわたって選考に携わっている同社大阪広報センターの松島知子さんは「毎年、秋口に募集するものが多いため、募集時期直近の内容も多いのですが、入選常連の方にお聞きすると、いつもニュースなど出来事を書き留めて作品に出していただいていたりして、みなさん本当にすごいなあと思いながら選考しています」と話す。
最優秀作品などは俵万智さんが選ぶ
応募作品数は開始年である1990年は2401編。その翌年からは7000編を超え、1999年には1万編、2020年に初めて2万編を超え、これまでの最高応募作品数は2021年の2万4086編だった。 今年も9月4日から募集が始まっているが、谷口さんも松島さんも、この時期はずっと届いた作品とにらめっこ。松島さんは「日によっては1日に300編以上の内容を見ることもあります」と話す。 そして、松島さんら大阪広報センターで過去の入選作品と同一のものがないか、コンプライアンスや人権の観点から、入選作品として相応しくないものを除外するなどして入選作品50編を決定。その50編の中から最優秀作品1編、優秀作品9編を、審査員である歌人、エッセイストの俵万智さんが選ぶ形となっている。