「棋聡天才」「荷労困配」今年の創作四字熟語発表
「棋聡天才」「荷労困配」今年の創作四字熟語 撮影・編集:柳曽文隆 THEPAGE大阪
住友生命保険は15日、今年の世相を4文字で表現する「創作四字熟語」の計50作品を発表した。このうち10の優秀作品には、将棋の藤井聡太棋士の活躍から「棋聡天才」(奇想天外)、陸上100メートルで日本人初の9秒98を記録した桐生祥秀選手にちなんだ「九九八新」(緊急発進)などが選ばれた。 【拡大写真付き】今年の漢字は「北」トップ20も発表 2位は「政」3位は「不」
俵万智さん「漢字ならではの力が、遺憾なく発揮」
ほかの優秀作品をみると、衆議院解散、希望の党結党など目まぐるしい政界の動きを表した「政変霹靂」(青天霹靂)、宅配業界の人手不足が深刻さを表した「荷労困配」(疲労困憊)。コンテナにくっついて猛毒を持つヒアリがやってきたことを表す「蟻来迷惑」(有難迷惑)などが選ばれた。 審査員を務めた歌人の俵万智さんは「まさに青天霹靂だった政界の動き。疲労困憊の宅配便のドライバーさん。『政変霹靂』『荷労困配』は、音の重なりを最大限に生かして、元の四字熟語の意味を効果的に響かせました。意味を凝縮させる漢字ならではの力が、遺憾なく発揮されています」とコメントを寄せている。 また、今回は入賞作品を「書道パフォーマンス」で発表するという初の試みも行われた。同日午後、上宮高校(大阪市天王寺区)書道パフォーマンス部部員が、同校で筆をふるって四字熟語を書いた。 同部部員は、書道パフォーマンス全国大会の常連で、縦横4メートルの和紙に大きく「棋聡天才」と書いた。部員が話し合い、優秀作品の中からこの四字熟語を選んで書いたという。 部員らは大会とは違ったスタイルで書いたものの「今まででいちばんのできでした」「藤井選手は同世代なのですごいと思いました」と笑顔で話していた。
優秀作品10作「蟻来迷惑」「J音無事」「中央習権」など
同社によると、この企画は1990年に1年の出来事を漢字4文字で振り返る「ことばの遊び」を提唱。多くの共感を呼んだことから「その年に感じたことを漢字に託す」という概念で始めたという。 今回も全国からハガキやインターネットで募集したところ1万2699の応募があった。応募作品の内訳をみると、衆議院選挙や働き方改革など政治・経済関係のものが4573作品を占めた。また、パンダ出産やヒアリ騒動といった社会関係が2657作品、北朝鮮ミサイル発射など国際情勢に関するものが1358作品などとなっている。 今年の四字熟語・優秀作品10作は次の通り。 ・棋聡天才(奇想天外)将棋の天才、藤井聡太棋士。 ・九九八新(緊急発進)桐生祥秀選手、100メートルで日本人初の9秒98。 ・政変霹靂(青天霹靂)衆議院解散、希望の党結党、民進党合流・・・。目まぐるしい政界の動き。 ・荷労困配(疲労困憊)宅配業界の人手不足が深刻。 ・蟻来迷惑(有難迷惑)コンテナにくっついて猛毒を持つヒアリがやってきた。 ・世代皇代(世代交代)「退位特例法」成立。 ・J音無事(平穏無事)国民に緊急避難を呼び掛けるJアラートが発動したが、事無きを得た。 ・中央習権(中央集権)中国は習近平体制で権力集中。 ・盆裸万笑(森羅万象)アキラ100%さん、お盆ひとつの裸芸でブレーク。 ・珍文漢糞(珍紛漢紛)うんこが入った例文で、子どもが楽しく漢字を覚えられる。