円小安い、対ドルで143円台前半-投資家心理改善の円売りが重しに
(ブルームバーグ): 25日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=143円台前半と小安い。前日の中国の景気浮揚策発表を受けた株高がアジア市場で続いており、投資家心理の改善による円売りが優勢だ。事業会社の決済集中日であるほか、月末を前に円売り需要が出やすい事情もある。
スタンダードチャータード銀行の江沢福紘フィナンシャルマーケッツ本部長は、序盤は前日の海外時間のドル安の流れが優勢だった半面、「円相場は月末を前にした五・十日(ごとおび)で売りが出やすく、中国の景気対策を受けた投資家心理の改善に伴う売りも重し」と指摘した。もっとも、日米の金融政策イベントを通過したほか、自民党総裁選を控え方向感自体は強くないと言う。
SBIリクイディティ・マーケットの上田真理人金融市場調査部長は、弱い経済指標を受け米国の利下げ幅が50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)になる可能性があり、「ドルの上値は重い」と指摘した。
27日には自民党の総裁選挙が行われる。世論調査などでは小泉進次郎元環境相、石破茂元幹事長、高市早苗経済安全保障担当相の3人が有力候補とみられている。SBILMの上田氏は、日本銀行の利上げをけん制する高市氏が勝利する可能性が出てきており、「利上げが難しくなるとの見方から円安方向にバイアスがかかる可能性がある」ため、投開票までは積極的にポジションを取りづらいと述べた。
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Daisuke Sakai