ラグビーW杯直前マッチで主力2人が故障し南アに完敗の日本代表は本当に世界と戦えるのか?
現実を知った。4年に1度のラグビーワールドカップ開幕を9月20日に控える日本代表は、6日、埼玉・熊谷ラグビー場で最後の“前哨戦”を行い南アフリカ代表に7-41で完敗した。相手の防御に屈したうえ、ウイングの福岡堅樹、ナンバーエイトのアマナキ・レレイ・マフィが故障するアクシデントにも見舞われた。優勝候補にも挙げられる格上を前にミスを重ねては、勝つのは難しい。 日本代表はキックオフ早々に連続フェーズから相手の反則を誘うも、直後の敵陣ゴール前左ラインアウトを競られて捕球ミス。その後も敵陣でボールを確保しながら、スクラムハーフの茂野海人の接点の後方からのキックを相手フォワードに弾かれる。 対するスタンドオフのハンドレ・ポラードが、ロングキックで陣地を挽回。日本代表は自陣でのラインアウトでもミスを犯し、スクラムからのテンポ良い攻めで前半の7分に先制トライを許した。 日本代表は4年前のイングランド大会でこのカードを制し、国内に空前のラグビーブームを巻き起こしている。ただしこの夜の南アフリカ代表は当時とは別物だった。 フランカーのシヤ・コリシ主将は、攻守逆転後、すぐに次の攻撃フェーズに参加するなどのハードワーク。日本代表は左右にボールを動かしスタンドを沸かせたが、要所で相手ナンバーエイトのデュアン・フェルミューレンのタックルと肉弾戦へのブローに苦しんだ。南アのロック、フランコ・モスタートは、日本代表への敬意を保ちながら言った。 「きょうは日本代表のディフェンスもよかったです。また日本代表のアタックが機能した際はこちらもプレッシャーを受けました。ただ、我々のディフェンスはそれを上回った。ボールをスローダウンさせるところがうまくいった」 かたや敗れたフランカーのリーチ マイケル主将は、攻め込みながらも跳ね返される状況などを踏まえ「相手が予想通りにフィジカルでやって来た」と分析。他選手からは「敵陣22メートルエリアで外のスペースを使えばよかった」などの反省も漏れたが、主将は試合後のリーダー陣同士の即席反省会で「もう1回、ディテールにこだわろう」と結論を出した。 リーチは「キックでプレッシャーを受けた」とも述懐。前半22分頃に自陣から蹴り上げたコンテストキック(落下地点へ味方を走らせ、相手と競り合いながら再獲得するためのキック)は、空中の競り合いの末に向こうに渡り、ウイングのマカゾレ・マピンピの快走を許した。ここでスコアは0―14になる。