東北学院GK橋本脩礼の屈強なメンタル。好セーブ連発でチームを救った守護神は“シュウレ”の名を轟かせ、父・俊一監督を越えられるか【選手権】
「サンドバック状態でも対応できるのは僕の強み」
[高校選手権・2回戦]東北学院(宮城)1-0 滝川第二(兵庫)/12月31日/ニッパツ三ツ沢球技場 【動画】東北学院vs.滝川二ダイジェスト 「MVPはシュウレかな。なんか...頼もしく見えました(笑)」 好セーブを連発した東北学院のGK橋本脩礼を、実の父でもある橋本俊一監督が感慨深げに称えると、息子はこう答える。 「その通りだと思いますね(笑)」 高校生とは思えぬ、堂々たる語り口。この強気なメンタリティが、数々の見事なショットストップを可能にしているのだろう。 12月31日、大晦日にニッパツ三ツ沢球技場で東北学院(宮城)と滝川第二(兵庫)が対戦。東北学院が1-0で勝利した。 後半31分に東北学院のFW岡元龍太が挙げた1点を守り抜いた。エースの一撃もさることながら、無失点に抑えた守備陣でひと際、存在感を放ったのが守護神の橋本だ。 簡単なゲームではなかった。試合の立ち上がりは浮き球をキャッチし損ねて相手にCKを与えてしまったり、滑り込みながらボールを抑えようとしたプレーでは、勢い余ってエリア外に飛び出てハンドを取られたりと、いくつかのミスが見られた。 そこから巻き返せるのが、屈強な精神力を持つ橋本の魅力だ。前半31分、相手FWとの1対1を防ぐと、同38分にも鋭い反応でビッグセーブ。終わってみればシュート数で3対13と相手に圧倒されながらも、持ち前の安定感でゴールを割らせず。 また、自身の守備範囲に来たハイボールも的確に処理。クリーンシートに貢献してチームに勝利をもたらしたのだ。 橋本はハイパフォーマンスを発揮した滝川第二戦を次のように振り返る。 「県大会からクリーンシートがなかなかなかった。今日のように防戦一方のゲームで無失点に抑えられて、すごく嬉しいです。サンドバック状態でも対応できるのは僕の強みでもある。今日に関しては、セービングの面で練習してきたことを100%出せたかなと」 3回戦は東海大相模(神奈川)との対戦が決まっている。「全国ベスト8」を掲げている東北学院は、次戦で勝利すれば目標を達成するが、橋本には個人的な野望もある。 「父と比べられるのは嫌じゃないけど、僕の活躍と父の存在は分けて考えてほしい。今は練習中や試合、家での父との絡みを取り上げられることが多いけど、今日のようにクリーンシートに貢献できた時には、“シュウレ”というひとりの選手として見てほしい。そこへのプライドはあります。宮城県で橋本といえば“シュウレ”だと、押していきたい」 宮城県の高校サッカー界で“橋本”といえば、現役時代に東北学院で守護神を務め、インターハイでチームをベスト4へと導き、現在は指揮官を務める同校のOB、父・俊一監督だ。実際、自身もその影響でGKを始め、ここまで続けてきたが、ついに父の存在を超える日が来るかもしれない。 「今はまだ僕のことを“シュウレイ”だと思っている人も多い。選手権の舞台で名を挙げて、俺は“シュウレ”だと、全国に知らしめたいです」 東海大相模戦でも“シュウレ”の名を轟かせられるか。1月2日にUvanceとどろきスタジアム by Fujitsuで行なわれる決戦に注目したい。 取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)
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