【高校野球】鹿児島城西で奇跡を起こすハンドリング “智弁和歌山で5季連続甲子園”道端俊輔監督
平日の練習時間は授業後の14時から19時。打撃と守備の日に分けて、集中力を高めてメニューを消化する。また、水曜、日曜日はウエート・トレーニングに充て、この冬場でチームとして「体重7キロ増」をテーマに肉体改造に励んだ。補食も管理。「スケールの大きな野球をします。どんなに好投手を擁しても、最終的には打たない限り、甲子園で勝つことはできない」と「強打・城西」を目指す。 攻撃スタイルは極端である。低反発の新基準の金属バットであるが、あくまでも長打を狙う。 「走者一塁では外野の7カ所(左翼線、左中間、左翼、中堅、右中間、右翼、右翼線)に打て、と言っています。ゴロはいらない。ボールの下に入れて打つ。フライOK。そこは、我慢です」 道端監督はiPadで動画を撮影し、編集してYouTubeにアップ。課題をいち早く共有し、克服に努める。 「今いる選手を大切にして、将来的には地元・鹿児島の子どもたちを中心としたチームを編成したいです。それこそ、高嶋先生が目指していた野球。私たちが智弁和歌山に在籍していた頃は一学年10人で原則、8人が県内、2人が他府県という内訳でした。鹿児島出身の選手は勤勉で、練習をする土壌があります。地元から応援されるチーム。そこで見えない力が生み出され、試合での大逆転劇、奇跡が起きる。学園、地元を含めて、渦を巻いていかないといけません」
甲子園で最も好きな光景
31歳。5季連続甲子園の記憶を語る。「甲子園は、お金では買えないんですよ。多くを学ばせてもらい、その後の人生の力になりました。取り憑かれている」。計10試合を戦い、最も好きな光景は「プレーボール前の二塁送球を終え、サイレンが鳴るまでの時間。水撒きをして、きれいに整備されたグラウンド、捕手から見るバックスクリーンは脳裏から離れません」と答えた。 早大では3年間の下積みを経て、4年時に正捕手としてリーグ優勝、全日本大学選手権制覇に貢献。4年秋には早大の正捕手として認められる背番号「6」を着け、春秋連覇に貢献。明治神宮大会では準優勝を遂げた。