斎藤元彦“SNS流言合戦”にオールドメディアはダンマリ…「選挙になるとマスコミが大人しくなる問題」をどうすべきか?
報道の間隙をついて飛び交ったSNSの「自由な言説」
気になるのは報酬が支払われていたかどうかだ。関西テレビの取材によれば「広告会社に金銭の支払いはある」と斎藤陣営の1人は話したという(11月22日)。公職選挙法に抵触(買収)になるのか今後の動きに注目だ。 さてここまで新聞、週刊誌、テレビの記事を元にして書いてきた。「オールドメディアなんて」と馬鹿にする方もいるだろう。そう、今回最も論じられるべきは選挙期間中になると既存メディアがおとなしくなる問題だ。新聞やテレビは公職選挙法と放送法を盾にして中立、公平を自称する。その間隙をついてSNSでは自由な「言説」が飛び交った。 ファクトチェックをしていた新聞もあった。毎日新聞は『「港湾利権にメスで潰された」は誤り 監査に斎藤知事の関与なし』(9月21日)と報道。 斎藤知事を「港湾利権にメスを入れたことによって闇社会とそこに追随するマスゴミに潰された」などと擁護する言説がネット上で飛び交っていたのだが、取材して明確に否定した。
こんな時こそメディアは奮起するしかない
しかしデマが否定されても次の「言説」が登場する。そもそもネット情報を「真実」とする人は新聞など読まないだろうから焼け石に水状態でもある。しかしこんな時こそメディアは報じていくしかない。奮起するしかない。取材をして裏付けをとる訓練を伝統にしている組織「オールドメディア」はまだまだ利用できる価値があるはずだ。 選挙期間中、タブロイド紙の日刊ゲンダイに現場ルポがあって読ませた(11月15日)。記者が選挙活動を追うと斎藤氏を支持する50代女性はこう言った。 「立花さんのおかげで真実を知り全てがつながりました」 「以前は産経新聞を購読していたのですが、今では新聞はもちろん、テレビも一切見ない。その代わりユーチューブとXで偏りなく情報を集め、考えが凝り固まらないようにしています」 ああ、こういう意見こそ選挙中の大手メディアで見たかった。新聞やテレビの選挙後の分析は、それまで見て見ぬふりをしていた人が急に饒舌になったみたいで気味が悪い。あのPR会社社長の「種明かし」と何が違うのか。あ、やっぱり私も「オールドメディア」には不満があるのでした。
プチ鹿島