【博多ストーカー殺人】裁判メモ(3)「できるだけ長く刑務所へ」「一片の慈悲もなく残忍極まりない」
2023年1月、福岡市のJR博多駅近くの路上で川野美樹さん(当時38)が刃物で複数回刺され死亡する事件が起きました。 その後、逮捕・起訴された元交際相手の寺内進被告(32)の初公判が2024年6月17日に福岡地裁で開かれ、被告は「刺したことは間違いないですが待ち伏せしたことは違います」と殺人罪については認め、ストーカー規制法違反の罪については否認しました。 弁護側は「待ち伏せした事実はありません」「恋愛感情はすでに失っていて、それに対する怨恨はない、ストーカー規制法については無罪」と主張しました。 この記事では、法廷内で読み上げられた遺族の手紙、検察による求刑の理由などについて、4回目(6月21日)、5回目(6月24日)の公判の詳細を、TNC裁判担当記者のメモをもとに詳しく伝えます。 <裁判メモ(2)からの続き>
◆川野さんから“ごめんなさいを聞きたかった”
6月21日、4日目の公判。まず裁判官や裁判員から寺内被告への質問が行われました。 <裁判官から寺内被告へ質問> Q「自宅を襲撃されて持ち歩いた包丁はトートバックにどう入れていた?」 A「さやの状態で、ななめに入ってました」 Q「2本をひとつのさやに?」 A「です」 <裁判員(女性)からの質問> Q「包丁2本持っていることは、川野さんは知っていた?」 A「知らないです」 Q「1本捨ててから、(自宅を襲撃した人物から?)襲われるとは思わなかったのですか?」 A「事件で捕まるので、いらないと思って」 <裁判員(男性)からの質問> Q「お店や自宅にだけ包丁を置いておけばいいという考えはなかった?」 A「歩いているときも顔が割れていると思っていたんで」 Q「自宅や職場では常にバックの中に?」 A「はい」 Q「川野さんと会って、歩いてついていっていますが、『ダメなこと』という考えは?」 A「こっちも興奮していたので考えていなかったです」 Q「すぐ自首しなかったのはなぜですか?」 A「頭が真っ白になって、自分でもどうしていいかわからなくて、初めにしておけばよかったですが、なぜ行けなかったかという気持ちです」 <裁判官からの質問> Q「ホテルを転々としていた時も包丁は持っていたが、包丁のことは川野さんは知らなかった?」 A「言ってないですね」