【博多ストーカー殺人】裁判メモ(3)「できるだけ長く刑務所へ」「一片の慈悲もなく残忍極まりない」
<裁判長からの質問> Q「禁止命令後、(川野さんが勤務する)会社に電話し『人生めちゃくちゃにされた』というようなこと言っているが、具体的にはどういう意味?」 A「ストーカー呼ばわりされたり、罰金の話や襲撃などの意味です」 Q「電話で川野さんが謝罪していたら、あなたの気持ちは変わっていましたか?」 A「落ち着いていたと思います」 Q「どんな気持ちが?」 A「どんな気持ちですかね…」 Q「罰金をママやマスターが100万円払うことになったと、それを払ってほしいとは?」 A「払ってほしいというか、払うことになったという」 Q「それについて、ごめんなさいというのを聞きたかった?」 A「そういうことだと思います」 Q「健康状態に変化は?」 A「人としゃべってない分、会話がわからなくなりました」 Q「(勤務先の)バーでは喋れていた?」 A「ぺらぺらとしゃべっていましたね」 Q「体力は?」 A「がりがりになってきた」 Q「どのくらい?」 A「4.5kgくらいですかね」 Q「当時はもう少し鍛えていた?」 A「鍛えてはいないが筋肉はありましたね」 Q「気力や精神面は?」 A「ちょっと人見知りみたいになりました」 Q「博多でひと旗揚げたい、というのはいつごろまで思っていた?」 A「夏くらいまでですかね」 <検察側からの質問> Q「川野さんが働いていたクラブで、ヘルプとして働いていたんですか?」 A「“ストーカー”といわれるまでは洗い物とかしていましたね」 Q「(バーと)かけもちしていた?」 A「はい」
◆“父親から暴力を受けていた”
このあと、弁護側の証人として、寺内被告の心理鑑定を行った臨床心理士が出廷しました。臨床心理士は、事件後に寺内被告と計11回面談し、8つの心理テストを実施した結果について、次のように述べました。 <心理テストから分かった寺内被告の特徴> ・未熟さや知的な問題を抱えていることがうかがえる ・自我の未形成、父親の影響が強く、母性的な愛情の欠如がうかがえる ・母性的なものへの依存欲求 ・内面的に抱える緊張感が高まるとストレス耐性が下がる ・注意深く検討するよりも行動が軽率 ・自分の主観的なイメージで判断する ・思い通りにいかないと「裏切られた」と思う ・精研式文章完成法テストでは、各テーマ(左側の文)に対し、それぞれ以下(右側)のように回答した 「私の失敗」⇒福岡に来たこと 「思い出すのは」⇒事件のこと 「やり直すなら」⇒事件の前の日に戻りたい 「自殺」⇒何度も考えた 「私の気持ち」⇒ごめんなさい ・一方でトラブルに関しては他者や自分を非難するよりは許容する傾向が高い ・虐待やいじめられた経験の示唆 ・PTSD⇒中等度から重度の精神的ストレスを抱えている可能性がある