ドローンショーで“地方発・世界と戦えるスタートアップ”に 未来のエンタメを模索する中で感じた「地方都市」の可能性【DIG Business】
山本代表 「常に走り続けていないとダメな人間というか。新しいことをやるのが好きなんですよね。新規事業ばかりやってきた人間なので」 目標を果たしたことで起業家としてのある種の達成感を感じる一方、次は何に挑戦しようか、ビジネスの種を探していた。そんなある日、起業家仲間から送られてきた1本の動画に衝撃を受ける。 山本代表 「中国で行われた、1000機以上のドローンによるショーの動画だったんですけど、想像を絶するというか。これ本当に1機1機がドローンなのかと。その後実際に海外でショーを見させてもらって。涙が出るほど感動した。“次はこれだ“と確信しました」 当時、アメリカや中国、ドバイでは当たり前のようにドローンショーが行われていたが、日本ではまだメジャーではなかった。山本さんは早速、日本でドローンショーができないか具体的な道筋を模索することに。法律・規制、競合環境など理解を深める中で見えてきたのは、「地方都市」の可能性だった。 山本代表 「ドローンショーをやるにはそれなりに広い土地が必要なんです。だからこれは東京のスタートアップにはできないなと。地方にこそピッタリなビジネスだと感じました」 かねてから、“地方発で世界と戦えるスタートアップを立ち上げたい”と考えていた山本さん。生まれ育った金沢は、地方都市の中でも比較的人口が多く、新幹線が開通したことで首都圏とのアクセスも良くなった。さらに、車で少し走ればドローンのテストフライトができるという、恵まれた環境があることに気が付いた。 山本代表 「嬉しい誤算もあって、金沢って伝統工芸が発達しているからか、モノづくりに興味がある人が多いんですよね。だから人材獲得にも困らない。天気が悪いのも予想外でしたが…笑」 こうしたアドバンテージもあり、2020年4月、ついに仲間と2人で、日本初となるドローンショーの会社を立ち上げる。 ■機体も自分たちで開発 しかし、始まりは順風満帆とはいかなかった。