お正月の食習慣で気をつけたい“落とし穴”とは 更年期世代が食べるべきおせちの定番5選
お正月に食べるおせち料理。昔は各家庭で手作りするのが一般的でしたが、今は市販のものを活用したり、洋風や中華にアレンジするほか、好きなお店で注文するなど、さまざまな形に変化しています。そんなおせちにお酒が進んで、つい食べすぎてしまうことも。栄養面も意識して楽しみたい更年期世代にとって、お正月の食生活では何を心がけたら良いのでしょうか。また、おせちの定番で食べておきたい料理とは? 栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。 【画像】おせちの「好き」「苦手」ランキング どちらも1位になった食材とは? ◇ ◇ ◇
お正月の食生活は栄養が偏りやすい
おせち料理など日本のお正月特有の食生活は、栄養面から考えると次のような偏りが考えられます。 ○野菜不足 おせち料理は日持ちすることを重視して作られるため、生野菜を使った料理が少ないのが特徴です。その結果、体の調子を整える食物繊維や、ビタミンなどの栄養素が不足しがちになります。 ○脂質のとりすぎ 最近のおせちは、ローストビーフやパテなどが入った和洋折衷のものなど、さまざまな種類があり、従来のおせちよりも油脂が多い傾向に。また、おせち以外にもすき焼きや、天ぷらなどの揚げ物を食べる機会が増え、脂質の高い食事が続く人もいるでしょう。 ○塩分過多 最近は従来よりも減塩傾向にありますが、保存性を高めるため、おせち料理の味つけには塩やしょうゆが比較的多めに使われています。さらに、お正月は漬け物やお雑煮など、塩味を中心とした料理も多く登場し、塩分摂取量が増えやすいです。 加えて、アルコールを飲む機会も増加。アルコールのとりすぎは、肝臓に負担をかけるだけでなく、食欲を増進させて過食の原因にもなります。お正月早々、気づかぬうちに栄養の偏りの“落とし穴”にはまる可能性も否定できません。
栄養を補う、おすすめのおせちの定番とは
更年期世代は筋肉が減り、代謝が悪くなるなどの影響で、いったん体重や体脂肪が増えてしまうと、なかなか減らない傾向があります。骨や肌の衰え、老化などが気になる人もいるでしょう。偏った栄養を補うために更年期世代が食べておきたい、おせちの定番5つを紹介します。 ○黒豆 黒豆は、たんぱく質や鉄分、アントシアニン(ポリフェノール)が豊富。抗酸化作用が期待され、体の免疫機能をサポートしてくれます。少量でも満足感を得られるため、適量を心がければ栄養面でのメリットが期待できるでしょう。 ○紅白なます 大根とニンジンを使った紅白なますは、ビタミンCとカロテンがたっぷり含まれています。免疫機能の向上や、肌の健康を保つのに役立つでしょう。また、大根に含まれる消化酵素は胃腸への負担を軽減します。酢のさっぱりした味わいは、脂っこい料理の箸休めにも最適です。 ○昆布巻き 昆布はカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが豊富で、骨の健康を支えます。また、中に巻かれているニシンやサケなどの魚からは、良質なたんぱく質を摂取することができるでしょう。 ○たたきゴボウ ゴボウは食物繊維が豊富で、とくに腸内環境を整え、便秘解消効果が期待できます。更年期世代は腸の働きが気になる人も多いため、腸活にもぴったりな一品です。むくみ予防に良いとされるカリウムも含まれています。よく噛んで、食べましょう。 ○かまぼこ 紅白かまぼこは、主に白身魚のすり身から作られており、良質なたんぱく質をとることができます。見た目も華やかで、祝いの席にふさわしい料理といえるでしょう。脂質が少なく、ヘルシーにたんぱく質を補いたい方におすすめです。
お正月を楽しむ食の工夫
お正月料理は栄養の偏りが起こりやすいですが、いろいろな料理を意識して食べることで、必要な栄養を補いつつお祝いの食事を楽しむことができるでしょう。 もちろん、どんな料理でもいえることですが、食べすぎはNGです。健康のためには腹八分目を意識するなど、適量を食べましょう。とくに、塩分や糖分が多いものは気をつけてください。 新しい一年を健やかに過ごせるように、彩りも美しい、日本の伝統が詰まったおせち料理を味わいたいですね。
Hint-Pot編集部