「ゆるい働き方」に不安を感じる若手社員たちの本心、時間に余裕ができたけれど、実は心には余裕がないワケ
こうした行動は、もちろんその後のキャリア形成につながり、その後の働きかたを豊かにしていくでしょう。しかし、こうした大きな行動には、「簡単にはできない」という単純ですが大きな問題があります。 では、現在“大きな行動”ができている若手社会人は、過去にどんなことをしていたのかと調査・研究してみたときに注目したのが、もう1つの「行動」、つまり“小さな行動(スモールステップ)”だったのです。 スモールステップは、ひと言で言うと「職務経歴書やSNSのプロフィール欄に書くことができるような可視の経験ではない、誰でもいつでもできる軽易な行動」のことです。分析の結果、1つひとつは目立たないスモールステップが助走のようになって、経歴書に書ける“大きな行動”につながっていることがわかりました。
スモールステップにはどんなものがあるのか、調査の項目から例として挙げてみます。 「やりたいことをみんなに話してみる」:自分の挑戦したいこと、思っていることを知人・友人に開示する 「初対面の人とも積極的に会う」:自分が日々接している人々ではない人と交流する 「友達に誘われたイベント等に行く」:自発的に行うことではなく、他者の誘いの機会を利用する 「LINEやメッセンジャーなどで目的に合わせたグループを作る」:今すぐにできることを厭わずやってみる
こうしたほんの小さな行動の積み重ねが、大きな行動につながっていることがわかっているのです。ここで、スモールステップを5つの類型に整理して紹介していきたいと思います。 ①自分のやりたいことをアウトプットしてみる (自己開示/Disclosure) 自分のやりたいことを人に話すことやSNSを用いて発信することは、とても簡単そうにみえて実は多くの人が行っていない行動です。調査によれば、SNSの利用法として、「新しく取り組みたいことの発信」を積極的に行っている若手は、仕事上・業務外ともに全体の20%前後に留まっていました。