オークションで中古車を売買していた彦根相互ホールディングス(滋賀)など2社が自己破産申請へ
輸入車や高級国産車を中心に取り扱っていた
彦根相互ホールディングス(株)(TDB企業コード:500496526、資本金9900万円、滋賀県彦根市西沼波町164-1、登記面=滋賀県彦根市西沼波町164、代表松田孝信氏)と、グループ会社のバリューバンク(株)(TDB企業コード:817008310、資本金1000万円、同所、登記面=同所、同代表)は、2月27日までに債務整理を南聡弁護士(南法律事務所、京都府京都市中京区柳馬場通錦小路下る瀬戸屋町463-2、電話075-211-0206)に一任、自己破産申請の準備に入った。 彦根相互ホールディングス(株)は、1997年(平成9年)9月創業、2001年(平成13年)7月に法人改組された中古自動車卸売業者。オートオークションでの中古自動車の卸売を主体に、中古車小売や自動車整備なども手がけていた。欧州車を主体に取り扱い、高級国産車も販売。月販売台数は400台以上で、常時300台程度の在庫を保有し、2019年6月期は年売上高約71億5500万円を計上していた。
半導体不足に伴う“中古車バブル”に翻弄され・・・
しかし、2020年には新型コロナウイルス感染拡大の影響により、想定以上に販売台数が低下、同年6月期の年売上高は約54億6000万円にまで減少し、営業損益段階から赤字を計上していた。 その後は、消費者が三密(密閉・密集・密接)を避ける移動手段として自動車需要が高まり、当社においても売り上げは回復基調にあった。一方で、半導体不足による自動車生産の停滞から中古自動車需要が急激に高まったことで仕入価格が高騰し、運転資金需要が増加。金融機関からの借入金に頼らざるを得ない状況が続いていた。 そのようななか、過去の決算における不適切会計が発覚したことで追加の資金調達が困難となり、取引先への支払遅延が散発するなど、信用不安が高まっていた。 バリューバンク(株)は、2012年(平成24年)10月に設立したグループの資産管理会社。関係会社から所有不動産の賃貸収入のほか、配当金収入なども得ていたが、彦根相互ホールディングス(株)に連鎖した。 負債は、彦根相互ホールディングス(株)が2021年6月期末時点で約27億4700万円だが、変動している可能性がある。バリューバンク(株)については調査中。