全国で50店舗以上の調剤薬局運営の寛一商店(京都)など9社が会社更生法の適用を申請
寛一商店(株)(TDB企業コード: 721008215、資本金2000万円、京都府京都市中京区一之船入町537-20FIS御池ビル9階、代表瀬川安紀子氏)など9社は、7月26日に東京地裁へ会社更生法の適用を申請し、同日保全管理命令を受けた。 申請代理人は三森仁弁護士(あさひ法律事務所、東京都千代田区丸の内2-1-1丸の内マイプラザ、電話03-5219-2258)ほか6名。保全管理人には南賢一弁護士(西村あさひ法律事務所・外国法共同事業、東京都千代田区大手町1-1-2大手門タワー、電話03-6250-6200)が選任されている。 寛一商店(株)は、2012年(平成24年)11月に設立された調剤薬局。2014年に「なぎさ薬局」の名称で店舗を開設後、全国の中小規模の調剤薬局を買収して事業を拡大。北海道から九州まで全国一円で50店舗以上の調剤薬局を運営するほか、北海道や富山県などで高齢者を対象とするデイサービス事業なども手がけ、年商は16億円程度で推移していた。 しかし、大手薬局チェーンを中心に調剤併設型のドラッグストアが台頭するなど調剤薬局が乱立。競争激化に歯止めがかからないなか、薬価引き下げの影響などもあって収益性が悪化していた。また、事業拡大を目的にM&Aを繰り返し、それに伴う金融機関からの借入金負担も重荷となっていた。 2020年以降は、新型コロナウイルス感染拡大による各医療施設への受診控えの影響を受け処方箋数が伸び悩み、売り上げが大きく減少。2024年に入ってからは、取引金融機関に対して返済猶予を要請していたものの、同意が得られず資金繰りがひっ迫、業績改善の見通しも立たないため今回の措置となった。 負債は寛一商店(株)が約52億円、9社合計で約111億5000万円。 なお、現在も営業は継続中。早期にスポンサー企業の選定手続きを開始する予定。 保全管理命令発令後、保全管理人において株式会社三菱UFJ銀行との間で当座貸越契約を締結しており(極度額10億円)、事業運営上必要な範囲で新規の融資(DIPファイナンス)を受ける予定。 同様の措置となっているグループ企業は以下の通り(カッコ内はTDB企業コード、登記面住所、負債額を記載)。 ・アサヒ調剤薬局(株)(080077767、北海道函館市、約29億円) ・(有)ハヤシデラ(550123138、滋賀県東近江市、約6億9000万円) ・(有)共生商会(120226438、青森県青森市、約2億1000万円) ・(株)ハーベリィ科学研究所(080162071、北海道函館市、約8億5000万円) ・(株)ソフトリー(215034074、新潟県長岡市、約6億2000万円) ・(有)ライフプランニング(340397474、新潟市中央区、約4億円) ・新潟医薬(株)(773042662、新潟市中央区、約1億6000万円) ・(有)さくら調剤薬局(678011030、新潟市東区、約1億2000万円)