クラブハウスを沸かせた今永昇太の男気スピーチ、日本人新人投手の球宴登板なら野茂以来2人目の快挙に
カブスの今永昇太が7月7日(日本時間8日)、オールスターゲームにMLB機構の推薦で出場することが決定した。メジャーでは30球団から1人ずつは選出される前提があり、地区最下位に低迷するチームからはただ1人の選出となった。 【動画】チームメイトも拍手喝采!今永昇太が球宴初選出を知った瞬間 球団公式Xのアカウントは、試合前のクラブハウスでのミーティング中に、今永の出場が告げられる場面を動画で紹介した。そこでの男気発言が早くも話題を呼んでいる。 「選ばれたからにはしっかり胸を張って、シカゴ・カブスを代表して。もし何か賞金とかを獲れたらみんなで山分けしたいと思います」 通訳が英語に訳すと、一同から拍手が沸き上がり、クレイグ・カウンセル監督と力強く握手を交わした。 今永のオールスターゲーム出場は、日本でも2019年と2023年の2度しかない。MLB公式サイトもこの快挙を大々的に伝えた。カブスの新人投手の選出は、1955年のサム・ジョーンズ以来、69年ぶりであること。また当時は新人資格が制定されておらず、1958年にメジャーが正式に新人資格のルールを整えて以降では、初めての球団新人投手の選出になると報じた。 なお野手も含めれば、カブス新人の選出は2015年のクリス・ブライアント以来という。2008年には福留孝介も、カブス新人野手としてオールスターゲームに選出された。 3、4月には4勝0敗、防御率0.98と支配的な投球をみせて月間最優秀新人を受賞した。その後、大量失点した試合もあったが、ここまで16試合に先発して7勝2敗、防御率3.16。91イニングを投げて、それを上回る92三振を奪い、四球は15個にとどまる。何より一度も負傷者リスト入りすることなく、先発ローテーションを守り抜いてきた。 チーム内ではエース格のジャスティン・スティールは13先発で防御率2.95も、1勝3敗止まり。ハビエル・アサドは今永と同じ16先発で防御率3.04ながら、4勝3敗。ジャーメソン・タイロンは14先発で防御率2.99ながら5勝4敗と、投球内容と結果の両方で今永を上回る先発投手はいなかった。 日本人投手では新人年の選出は6人目。先発を任された1995年のドジャース・野茂英雄は別格として、2007年のレッドソックス・岡島秀樹、2012年のレンジャーズ・ダルビッシュ有、昨年のメッツ・千賀滉大は登板機会がなく、2014年のヤンキース・田中将大は右肘の故障で辞退を余儀なくされた。マウンドに上がれば、日本人新人投手の登板は野茂以来2人目。その時が訪れれば、日本のファンも大いに盛り上がるのは間違いない。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]