【40代、50代・ポスト更年期の基礎知識】更年期後に重要な「骨密度検査」「生活習慣病検査」は自治体の検診でも可能。『1に検診、2に検診』を心がけよう!
つらい更年期症状が終わり、ポスト更年期に入っても検診は欠かせない。人間ドックに行くのが億劫という人も、自治体で行う検査を受けるだけでも異常値や経年変化がわかり、病気の予防につなげられる。とくにこの世代から問題が起こりがちな骨密度検査、生活習慣病の検査は有効だ。産婦人科医の吉形玲美さんに詳しく教えてもらった。
Q. 自治体の検診で予防できるトラブルって?
A. 骨密度検査と生活習慣病(血圧、脂質、糖代謝、腎機能)の検査は有効です 「当院では、診察に来られる患者さんにはいつも『健康診断の結果を持ってきてください』とお願いをしています。 特に自治体で行う一般血液検査、生活習慣病の検査での『血圧、脂質、糖代謝、腎機能』の数値がわかると、不調の原因にアプローチしやすく、具体的なアドバイスができるのでおすすめです。 加えて、自治体で行っている骨密度検査、婦人科検診もぜひ活用を。更年期症状が落ち着いたポスト更年期も引き続き、『1に検診、2に検診』を心がけましょう。 たとえ正常範囲内であっても、以前と比べて数値が上がってきていないか、異常値を放置していないかなど、経年変化について自身でもチェックする習慣を持つことが大切です。腰が重いという人も、家族や友達と行ってみるなど、まずは足を運ぶことから始めてください」(吉形先生)
《推奨される検査》 ●脳ドック ●カルシウムスコア測定 ●骨密度検査 ●骨代謝マーカー ●認知症チェック ≫医療機関 ・人間ドック専門施設、脳ドックほか、専門検査を実施する施設 《気をつけたい疾患・病態》 【婦人科系】 ●萎縮性膣炎 ●腟炎泌尿器トラブル ●骨盤臓器脱 ●婦人科二次検診のフォロー ≫医療機関 ・レディスクリニック 【内科系】 ●高血圧症 ●脂質異常症 ●糖尿病 ●腎機能障害 ●循環器、呼吸器系疾患 ≫医療機関 ・地域の内科 ・ケースにより高次医療機関 【整形外科系】 ●骨粗しょう症 ●骨折 ●変形性肩関節症 ●脊柱管狭窄症 ≫医療機関 ・地域の整形外科 ・ケースにより高次医療機関
【教えてくれたのは】 吉形玲美さん 産婦人科医、医学博士。浜松町ハマサイトクリニック特別顧問。大学病院で医療の最前線に立ち、女性医療・更年期医療のさまざまな臨床研究にも数多く携わる。女性予防医療を広めたいという思いから、現クリニックへ。更年期、妊活、月経不順など女性の体のホルモンマネジメントが得意。著書に『40代から始めよう! 閉経マネジメント』(講談社) イラスト/平松昭子<アイキャッチ> 構成・原文/井尾淳子