元総合格闘家・三浦広光さん逝去 「急性白血病」とは? 9月に発覚【医師解説】
急性白血病の検査方法や治療方法とは
Q.急性白血病はどのような検査を行って診断するのですか? A.急性骨髄性白血病では、治療方針を決定するためにも病型分類が非常に重要です。病型分類は、国際的にFAB分類・WHO分類の2種類が用いられます。診断と治療方針を定め、病型分類の決定・臓器の異常・合併症などの有無を調べるために下記のような検査を行います。 ・血液検査 ・骨髄検査(骨髄穿刺・骨髄生検など) ・腹部超音波検査 ・腹部CT検査 急性リンパ性白血病では、B細胞性・T細胞性などの白血病細胞の種類や特徴的な染色体異常の有無を調べます。病状の見通しをたて、適切な治療方法などを判定するため重要です。そのために下記のような検査を行います。 ・理学的所見・問診 ・血液検査 ・骨髄検査(骨髄穿刺・骨髄生検) リンパ節・肝臓・脾臓の腫脹がないかや感染の徴候や出血症状がないかなど、全身の診察で健康状態を調べる必要があります。また、血液の状態・臓器の異常の有無などを血液検査で判定することが可能です。骨髄検査は診断のために必須の検査で、骨髄液を採取して行います。採取した骨髄液はさまざまな検査に用いることで正確な診断につながるため、とても重要です。 Q.検査にかかる時間や治療開始までの期間を教えてください。 A.急性白血病は進行が早く早急な対処が必要とされるため、診断されればすぐに治療が開始されます。本格的な治療方針は、血液検査など以外に骨髄検査も受けて結果が出てから決まります。 急性白血病の診断に欠かせない骨髄検査は、健康体の場合にはあまり経験することのない検査です。胸骨または腰の骨である腸骨に細い針を刺すことで、骨髄液を数ミリリットル吸引します。検査自体に入院の必要はなく通常10~15分程度で完了し、検査後は20~30分程度は安静にする時間が必要です。止血を確認すれば徒歩での帰宅が可能です。骨髄穿刺は2~3日、骨髄生検は1~2週間程度で結果が出ます。 Q.急性白血病はどんな治療をするのですか? A.急性骨髄性白血病の治療では白血病細胞の根絶が最終的な目標です。強力な化学療法の繰り返しが基本ですが、全身状態・年齢・合併症の有無・患者様の希望を考慮します。主に下記のような治療法があります。 ・化学療法 ・造血幹細胞移植 ・支持療法 急性リンパ性白血病の場合、化学療法と造血幹細胞移植が主な治療法です。 ・化学療法 ・イマチニブ療法 ・同種造血幹細胞移植 ・支持療法 さらに、寛解導入療法・寛解後療法に分類されます。寛解導入療法には通常1ヶ月程度の治療期間が必要です。寛解状態になることで、寛解後療法に移行します。寛解後療法は通常1~2年程度行って終了となります。化学療法は主に抗がん剤を用いた治療法で、もっともポピュラーです。しかしそれぞれの病状や希望を考慮し、検査結果をもとに医師と相談しながら最適な治療法の選択を行うことが大切です。 Q.治療にはどのくらい期間がかかりますか?完治するのかも知りたいです。 A.治療の期間によって多少異なるものの、入院を必要とする治療が8~12ヶ月程度です。状況によって外泊や一時的に退院して自宅で過ごすことも可能です。入院治療後も1年~1年半程度は飲み薬による治療を続け、定期的な通院が必要になります。 なお、寛解導入療法は1週間~10日程度の抗がん剤治療で完全寛解を目指します。3週間程度で完全寛解となることが多いものの、完全寛解に至らない場合には繰り返しの治療が必要です。その後は寛解後療法に移行し、抗がん剤を用います。地固め療法・維持療法・強化療法などもこれに該当する治療法です。 治療法・スケジュールには個人差があり、抗がん剤の投与期間も1~5年と大きな個人差があります。