“FGO緊急メンテ”なぜ長時間に? 「ロールバック」の判断も簡単ではないワケ
新キャラ実装直後、タイミングも悪かった
そしてタイミングも悪かった。FGOは11日午後1時から6時にメンテナンスを実施した後、新しいイベントを開始。ガチャの目玉となる新キャラクターもリリースした。レアリティはもちろん最高で、収入源としてある程度期待もしていただろう。しかし、石を大量に配ってしまったことで、このキャラクターも容易に獲得されてしまった可能性がある。 FGOでは石30個で11回ガチャを回せる。仮に今回の不具合で1500個の石が手に入ったとすると、500回以上抽選のチャンスがあったことになる。329回抽選してもその期間中の目玉キャラクターが手に入らなかった場合には、330回目に確定でそのキャラが手に入る措置があるので、実質無料で入手できてしまった可能性もある。 さらにFGOは同じキャラを何体も集めると、その性能を強化できる仕組みもある。ガチャを何回も回し、すでに新キャラを強化したプレイヤーもいたかもしれない。 もう一つ厄介なのが、今回のイベントには「ボックスガチャ」という別のガチャも存在したことだ。ボックスガチャは上述のガチャと異なり、ゲームを遊んでためたアイテムを使うことで、キャラを成長させるためのアイテムをガチャ形式で手に入れられるもの。 一部アイテムは入手数に制限がかかっている場合があるが、それ以外は上限なく入手できるのが特徴だ。普段入手しにくいアイテムを手に入れたり、大量に消費するアイテムを集めておいたりできる。そうした性質があることから、頻繁には開催されないレアイベントとなっている。実際、前回は2023年冬の開催だったため、1年ぶりのイベントだ。 コアなプレイヤーの中にはこの機にとんでもない量のアイテムを集めている人もいる。もしかするとイベント開始に伴うメンテナンスが終わった11日18時から、緊急メンテナンスが始まった12日午前1時20分までの7時間強、アイテムを集め続けていた人もいるかもしれない。 SNSでは、石を配りすぎたとして「『ロールバック』が起こるのではないか」、と懸念する声もある。ロールバックはデータベース更新の際にエラーがある変更を取り消す操作のことで、ロールバックとなれば誤配布の聖晶石によるキャラの獲得も含め、特定期間のプレイングが全てなかったことになる可能性もある。 しかしボックスガチャに労力をかけた人をはじめとしたコアユーザーのモチベーション低下や離脱リスクを考えると、簡単にはGOサインは出せないだろう。現実に、願いをかなえる聖杯はない。果たしてラセングルはどんな選択をするだろうか。
ITmedia NEWS