82歳でアプリ開発「米アップルCEOのティム・クックも認めた」脅威の“スーパー89歳” 何歳からでも“やりたいこと”を見つける「3つの方法」
■「つまらない」と思ったらやめていい 自分本位主義でやりたいことを楽しむ“リケ老”の若宮さんは、若い頃からさまざまな習い事や勉学を続けてきた。89歳の今も、「日々、勉強」という。 学びのスタイルは、気ままな若宮流の独学。誰かに強制されたり、何かの義務だったりするのではなく、自分で「何を学ぶか」「どのように学ぶか」を決めて勉強しているという。 そうすると、おのずと若宮さんにとって「楽しそうなこと」が学びの対象になる。独学の基本は読書。学びたい分野の本を買って読むことから始める。読書も中学校の頃から大好きだったという。
パソコンは60歳目前から、スマホは70代、プログラミンングに至っては80代から、この独学で体得した。最近は数学の学び直しにはまっている。 「何かを学びたいときに、本は便利です。ネットの情報は検索すれば簡単に、しかも無料で出てきますが、あちこちに点在していて、自分の目で真偽を見極めて統合していくのは至難の業。その点、本はプロが編集して世の中に出していますから、信頼できます。入門書をしこたま買ってきて、ある程度読み込んでから、一番わかりやすい本を1冊選んで教材にします」
ただし、読んでも「わからない」「つまらない」と思ったら、その日の勉強はおしまい。気ままな独学なので、1日最低3ページは読むとか2時間は机に向かうといったノルマは一切ない。本を読んでわからないことはストレートに人に聞いて教えてもらう。 ■80歳から芽が出る人間もいる だが、シニア世代は、「いい年をして何も知らないのは恥ずかしい」「まちがったら馬鹿にされるんじゃないか」と心配する人も多いという。 「新しいことはわからなくて当たり前。馬鹿にされることって、学びを得るためにすごく大事なプロセスなんです。これ、鎌倉時代から吉田兼好さんも『徒然草』の中で書いています。芸事の初心者は裏で練習してうまくなってから人前に出ようと思いがちだけど、そういう人はなんの芸も上達しないってね。みんなの中でクスクス笑われたり、失敗して恥をかいたりしても平気な顔でいられる人が大成する人だと思います」
人生100年時代。少子高齢化が進み、「老いては子に従え」ばかりではいられない。とりあえず楽しそう、学んでみたいと思ったら、どんどん飛びついてみよう。 「私のように80歳から芽が出る人間もいるのです」 【写真を見る】アップルCEOティム・クックとハグする若宮さん(89歳)と「斜め上すぎる」ワーキングデスク
桜井 美貴子 :ライター・編集者