82歳でアプリ開発「米アップルCEOのティム・クックも認めた」脅威の“スーパー89歳” 何歳からでも“やりたいこと”を見つける「3つの方法」
そんな若宮さんを突き動かすのは、8年前に悟った「年寄りのことは年寄りしかわからない」という思いだ。 「政府が若い人たちのテクノロジーをそのまま年寄りに押し付けちゃうのは、非常に迷惑なんですよ。年寄りはなぜお役所がITだ、デジタルだ、とワーワー言っているのかわからないし、そもそも政府は年寄りが困っていることをわかっていない。だから、私が間に立ってなんとかしなきゃいけないと思いまして。勝手にITエバンジェリストなんて肩書を作って使命感に燃えて、1人で喜んでいる、みたいな現在です」
お茶目に笑う若宮さんだが、年間140回以上の講演をこなしながら、さまざまな会議に出席し、合間に本の執筆もする。Googleカレンダーには時間単位で予定がびっしりだ。 そんな多忙な日々にもかかわらず、プライベートでもやりたいことがありすぎて、時間が足りないという。 「私はすごく自分本位主義なので、人様にご迷惑をかけることは避けますけれど、自分が楽しいこと、やりたいと思ったことは、あまり他人のことは考えないですぐに実行に移してしまうんです」
■“やりたいこと”を見つける「3つの方法」 老後を迎えて、やりたいことが見つからない、趣味がないと嘆くシニア世代にしたら、なんともうらやましい日々である。若宮流・やりたいことの見つけかたはいたってシンプル。「自分の気分が上がることをやる」。 そのために3つのアンテナを立てている。 1つは、“自分ができること”と“まわりの人が喜んでくれること”の接点を探してみる。誰かに感謝されたり喜ばれたりしたら、誰だってうれしい。「また、やってみよう」と思ったら、それが「やりたいこと」だ。
「自分が誰かに何かをしてもらって『ありがとう』と言うより、相手さんから『ありがとう』と言われることのほうが、人間は幸せだと思うんです。人に感謝されてうれしいと思う気持ちは、生きる活力につながっていきますね」 若宮さんは講演会の最後に大きな拍手をもらえると、毎回、心からうれしくなる。拍手はありがとうの言葉のかわり。講演会のために朝5時起きして会場入りした日でも、疲れが吹き飛ぶという。 2つめは「自分が欲しいものはなんだろう」と考えること。ゲームアプリも、ここから生まれた。