乳酸発酵した漬け物の健康効果と賢い食べ方、献立のヒント【発酵食大図鑑】
[野沢菜漬け]
長野県の野沢地方特産の青菜の漬け物。寒さが厳しい土地なので、比較的低塩でも漬けられたとされる。緑が鮮やかな浅漬けからあめ色の古漬けまであるが、少し乳酸発酵したものがいい。
[しば漬け]
京都の伝統漬け物としておなじみ。なすを赤じそと塩で乳酸発酵させて作る。紫葉(しば)の語源ともいわれる赤じそにはアントシアニンという赤い色素の抗酸化効果も期待できる。
(気をつけたいこと) そもそも乳酸発酵した漬け物は季節の野菜を塩で漬け、年中楽しむための保存食。カビや雑菌の繁殖を防ぐために、塩の力を借りています。このため、本格漬け物はどうしても塩分が多いのです。適量を楽しみましょう。 (おすすめ献立) 漬け物と味噌汁、ご飯でも一食になりますが、肉や魚、豆腐などのたんぱく質を補える主菜と、野菜や海藻、大豆などが摂れる副菜を揃えるとバランスがとれます。時間がないときは、焼きのりやもずく酢を添えるだけでもいい。
Cooking idea|そのまま食べても料理に応用しても!
保存漬けは塩分が多いけれど、その塩分を料理に上手に取り入れるのもいい方法。昔から漬け物はいろいろな楽しみ方がされてきました。
高菜炒め
大きな葉が特徴の高菜の葉を塩漬けにして乳酸発酵させた高菜漬け。そのまま食べるほか、刻んで油炒めにするのも定番。細かく刻んだ高菜漬けをごま油で炒めるだけ。赤唐辛子の小口切りを加えたり、ごまを振ってもいい。野沢菜漬けなど、いろいろな青菜漬けで応用できる。
漬け物混ぜご飯
細かく刻んだ漬け物を炊きたてのご飯に混ぜると、塩気と酸味で独特のおいしさに。おにぎりにすると、冷めてもおいしい。青菜漬けはもちろん、しば漬けはご飯がほんのりとピンク色になり、見た目も華やか。
漬け物屋さんに聞きました。
東京・千駄木で伝統漬け物の店を営む柳沢博幸さんは、添加物を使わず、いい材料で作った昔ながらの漬け物を食べてほしくて、漬け物専門店を始めたそう。自ら味を確かめ、おいしいと思うものを日本全国から集めています。一度ほんとうにおいしい漬け物を食べたら、違いがわかるはず。健康にもいい日本の伝統食をつなげていこうとしています。 やなぎに桜 〒113-0022 東京都文京区千駄木2-33-6