乳酸発酵した漬け物の健康効果と賢い食べ方、献立のヒント【発酵食大図鑑】
【漬け物ができるまで】
(A)野菜には元々乳酸菌がついているので、漬け物にすると樽の中で活動し、乳酸を生む。 (B)野菜の水分を出し、塩分によって雑菌の繁殖を防ぐ。 (C)漬け物を取り巻く環境にすむ乳酸菌や酵母が入り込み、発酵を進める。 (D)乳酸が作られて酸味が出てくるとともに、ビタミンB群も豊富に。
(賢い摂り方)
●添加物の少ないものを 腸にいい効果が期待できるのは、乳酸発酵させた漬け物です。味噌漬けや酢漬けはおいしいけれど、残念ながら乳酸発酵はさせていません。 また、野沢菜漬けやしば漬けを名乗っていても調味液に浸した漬け物もあります。選ぶ時には乳酸発酵させているか確認しましょう。 判断は難しいのですが、目安は添加物。発酵漬け物なら、乳酸菌や塩の働きで雑菌が繁殖しにくいため保存料を使わなくても日持ちします。発酵させていない漬け物は傷みやすいので、保存料が必要。表示を気にして見てみましょう。減塩と保存漬けは両立しないので、塩分が少ない漬け物も調味液漬けの可能性が高いでしょう。 酸味があれば乳酸菌が繁殖しているので健康効果はあります。あめ色にまでなると酸味と塩分だけが残り菌は減っているかもしれません。
[高菜菜漬け]
高菜はからし菜の変種で大きなものは50cm以上まで育つ。塩で漬けて重しをし、発酵させた漬け物は西日本から九州で広く親しまれている。刻んで売られているものや調理加工品も多い。
[しゃくし菜漬け]
大きな葉の形が杓子(しゃくし)(しゃもじ)に似ていることから名付けられたしゃくし菜を塩で漬けたもの。埼玉県の秩父地方に古くから伝わる。樽にすみつく乳酸菌がおいしさの決め手。