2024年版 今こそ乗りたい「最強&最高」のスポーツカー 10選 公道で味わう「大人」テイスト
8. ジャガーFタイプ
長所:優れたコストパフォーマンス、FRならではのダイナミクス 短所:2シーターの基準からしてもあまり実用的ではない、古臭いインテリア デビューから10年近くが経過したジャガーFタイプと「お別れ」の時期が来た。2023年末に生産終了し、後継車はまだ用意されていない。悲しいが、無理もない話だ。Fタイプは、ジャガーの創立者ウィリアム・ライオンズ卿が設計したEタイプの後継として大いに期待されたものの、その販売動向は現代のスポーツカー市場について多くを物語っている。 2013年の発売当時、弊誌は美しくて信頼性の高い「現代版TVR」のようなクルマとして評価を受けるだろうと予想していた。実際、しばらくの間はそのような反響が見られた。しかし、時代は少しずつ変わっている。アウディR8のようなスーパースポーツカーから、ポルシェ・ケイマンやアルピーヌA110のような比較的安価なモデルまで、トレンドの中心はミドシップに移行した。 そうした状況に、Fタイプも必死に食らいついた。さまざまなパワートレインを導入し、2020年初頭に行われた改良以降はさらに多くのバリエーションを展開している。 最高出力575psのFタイプRが最上位に君臨し、6万ポンド(約1140万円)以下で300psを発生するエントリーモデルが足元を固める。その中間として、V8と後輪駆動を採用するFタイプP450が空白を埋める。 改良時に新しいスタイリングが採用され、外観は確かに新鮮なものとなった。弊誌が試乗したFタイプR AWDモデルでは、どこかV8ホットロッドを思わせるスピードとノイズで魅了され、しかもハンドリングの正確さとシャシーの安定感に感銘を受けた。 Fタイプはジャガーのファンに支えられてきたが、年月を重ねるにつれ、その欠点は無視できないものになってしまった。確かに走りは良いのだが、貧弱なパッケージのインテリアが足を引っ張り、新しい外観も見慣れたものになった。新型車の報せが待ち遠しい。