クリスマスの定番クラシック音楽といえば! チャイコフスキーの『くるみ割り人形』
クラシックソムリエが語る「名曲物語365」
難しいイメージのあるクラシック音楽も、作品に秘められた思いやエピソードを知ればぐっと身近な存在に。人生を豊かに彩る音楽の世界を、クラシックソムリエの田中 泰さんが案内します。
チャイコフスキー バレエ『くるみ割り人形』 美しいメロディがちりばめられたクリスマスシーズンの定番曲
今日12月24日は「クリスマスイヴ」です。山下達郎のヒット曲『クリスマス・イブ』や、チャールズ・ディケンズの小説『クリスマス・キャロル』などとともに、ロマンチックなこの日を描いたクラシックの定番といえば、チャイコフスキーのバレエ『くるみ割り人形』です。 『白鳥の湖』『眠れる森の美女』に続くチャイコフスキーの“3大バレエ”の最後を飾る『くるみ割り人形』は、1892年にサンクトペテルブルクのマリインスキー劇場で初演されたチャイコフスキーの代表作です。 ドイツ・ロマン派の文豪E・T・A・ホフマンの童話『くるみ割り人形とねずみの王様』を、『椿姫』の作者デュマ・フィスがフランス語に訳した台本を使用したこの作品は、少女クララがクリスマスイヴの夜に見た素敵な夢の物語。「花のワルツ」や「金平糖の精の踊り」など、作品全体にちりばめられた美しい音楽は、稀代のメロディメーカー、チャイコフスキーならではです。 近年では2018年のディズニー映画『くるみ割り人形と秘密の王国』が大きな話題となったことも記憶に新しい出来事です。
田中 泰/Yasushi Tanaka
一般財団法人日本クラシックソムリエ協会代表理事。ラジオや飛行機の機内チャンネルのほか、さまざまなメディアでの執筆や講演を通してクラシック音楽の魅力を発信している。
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