夏休み、小学生が“英語漬け”で過ごすのにぴったりな「地方のインターナショナルスクール」とは?
夏休みを利用して、子どもにグローバルな感覚を身につけさせたいと思う人も多いのではないでしょうか。円安が進み、ハイシーズンの海外旅行に手が届きづらくなった今、狙い目は地方のインターナショナルスクールが小学生を対象に開くサマースクール。地域に根ざした豊かな学びの機会を得ることができ、付き添う家族もバカンスを楽しめます。国際教育評論家の村田学さんが、教育移住先としても注目される地域にあるスクール2校を紹介します。 【写真】英語力が高いことで知られるママモデルはこの人 話を聞いた人 〇村田学さん/国際教育評論家。情報サイト「インターナショナルスクールタイムズ」編集長。インター校の設立準備などコンサルタント業も手がける。 ■信州の自然の中で本質的な学びを体感 〇インターナショナルスクール・オブ・長野 新宿から特急で2時間半。「世界という選択肢を全ての子供たちへ」というビジョンのもと、2012年、長野県松本市に誕生したのが、幼少中一貫のインターナショナルスクールオブ長野。信州の豊かな自然に囲まれ、国際バカロレア(IB)認定のインターナショナルスクールでありながら、日本の学校教育法に定められた一条校(小学部)でもあります。 2023年には「サステナブルを学べるライブラリーを作り、全国に広げよう」とクラウドファンディングで200万円を集めるなど、子どもたちが主体的に取り組むユニークな学びが、県内外から注目されました。 代表の栗林梨恵さんは、地域の環境を生かした独自の教育について、「SDGsを学ぼう、と大上段に構えずとも、春は田植えをして夏は山で虫を捕まえて、といった日々の暮らしのなかで、子どもたちは自然と地球環境にも関心が向きます」と話します。 7月末からスタートするサマースクールでは、川遊びにハイキング、バードウォッチングといったアウトドア・アクティビティから、地元の人を講師に招くDIYやクッキング、さらにプログラミングなどのSTEAM学習まで、多彩なプログラムが用意されています。 「生き物やアウトドアに精通した魅力的な講師陣のもと、五感をフルに使った探究型の学びを深めることができます」(栗林さん) プログラムは基本的に英語で行われますが、参加者の語学力は不問です。 「うちの子は英語話せないけど大丈夫かな、なんて不安がるより、お子さんを信頼して送り出してみて。初めて出会う先生や仲間たちと新しい体験を重ね、人間的にひと回り大きく、フレキシブルになって帰ってくるはずですよ」(栗林さん) 子どもたちがスクールで学ぶあいだ、大人たちは、松本近郊の観光スポットを巡るもよし、自然の中で沢登りや釣りを楽しむもよし。信州の澄んだ空気の中で、子どもの教育や家族の未来について思いを巡らせてもいいかもしれません。子どものグローバルな学びと親のリフレッシュ時間は、家族とって忘れられない思い出になるかもしれません。 長野県は近年、子育て世代の移住先としても注目されています。サマースクールへの参加をきっかけに、移住を本格的に検討し始めるファミリーも少なくないそう。「自然豊かな環境で子育てをしたい」と考える移住者にとって、同校のサマースクールは長野から世界に通じる架け橋とも言えそうです。