皇帝ネロやカエサルも愛した「放蕩と悪徳の巣窟」、温泉街の海底遺跡から貴重な大理石の床を発見
南イタリアのナポリ近郊の自治体バーコリに、かつてバイアエ(Baiae、バイアとも)と呼ばれる温泉街があった。古代ローマの貴族たちに大人気の保養地で、カエサルやネロといった皇帝たちも邸宅を構えていたという(ちなみに、漫画「テルマエ・ロマエ」で主人公ルシウスが皇帝から改修事業を任された保養所も、ここバイアエのものだ)。 しかし、4世紀ごろになると地盤沈下が始まる。火山活動の影響で地面が周期的に隆起と沈下を繰り返す「緩慢地動」(bradyseism)と呼ばれる現象が原因だった。この海岸の沈下によって邸宅は放棄され、8世紀頃にもなると完全に海に沈んでしまう。 そうして長らく忘れ去られていたバイアエだが、1920年代に行なわれた港の工事で偶然発見され、その後1940年にとあるパイロットが壁や大理石の柱、道路などが鮮明に映った航空写真を撮影したことから、本格的な発掘作業が始まる。 そしてこのたび、新たに希少な岩石で彩られた大理石の床が発見された。
南イタリアのナポリ近郊の自治体バーコリに、かつてバイアエ(Baiae、バイアとも)と呼ばれる温泉街があった。古代ローマの貴族たちに大人気の保養地で、カエサルやネロといった皇帝たちも邸宅を構えていたという(ちなみに、漫画「テルマエ・ロマエ」で主人公ルシウスが皇帝から改修事業を任された保養所も、ここバイアエのものだ)。 しかし、4世紀ごろになると地盤沈下が始まる。火山活動の影響で地面が周期的に隆起と沈下を繰り返す「緩慢地動」(bradyseism)と呼ばれる現象が原因だった。この海岸の沈下によって邸宅は放棄され、8世紀頃にもなると完全に海に沈んでしまう。 そうして長らく忘れ去られていたバイアエだが、1920年代に行なわれた港の工事で偶然発見され、その後1940年にとあるパイロットが壁や大理石の柱、道路などが鮮明に映った航空写真を撮影したことから、本格的な発掘作業が始まる。 そしてこのたび、新たに希少な岩石で彩られた大理石の床が発見された。