週6回ラーメン店で腕を振るう「101歳のふくさん」が明かす…健康のためにしている「意外なこと」
以前よりも元気になった気が…
以前は晩酌も楽しんでいたが、90歳を過ぎた頃から飲まなくなった。 「夏になるとビールが飲みたくて(笑)でも、いまは体がほしがらなくなってきたんです。お肉も昔は好きだったけど、最近は食べる機会が減りましたね」 厨房で麺が茹で上がるまでの「スキマ時間」には、意外にもスクワットを行い、足腰の衰えを防いでいるという。 「歩けなくなったら今の生活ができなくなるでしょ。ボケちゃうかもしれない」との危機感が、自然と体を動かす習慣をつくっているのかもしれない。 「少し前に母の元気が少しなくなったことがあったんです。疲れやすくもなっていて。いい年齢だしな、と思っていたんですがピンと来て、聞いたんです。『お袋、最近スクワットしてる?』って。そしたらサボっていたことがわかった(笑)」(俊二さん) 俊二さんがスクワットを再開することを勧めるとふくさんは渋々それに従った。するとしばらくして筋肉がついてくると再び、以前のような元気を取り戻したというのだ。 「体を動かすことだけじゃないと思います。最近はテレビや新聞、雑誌なんかの取材もあるし、お客さんも母に会いたがって店にくるでしょ? なんだか前よりも元気になったような気がします」 そう話し、前出の久美子さんは笑った。 「以前、慶応大学の先生たちが検査してくれたのだけど、心臓、肝臓、腎臓、血管、血液…どこも異常ないといって驚いていましたよ。視力はまだ1.2だしね。耳は少し悪くなってきたけれど、補聴器はまだ使ってないのよ」(ふくさん)
生きるために食べる。生きるために働く
常連客に話を聞くと、こんな胸のうちを語った。 「ふくさん、101歳なんて信じられないくらい元気でしょう。バケモノですよ(笑)。今日もふくさんが元気でお店に立っているから、『自分も頑張ろう』という気持ちにさせてくれるんです。実の母親ではないけれど、母親以上に親切にしたくなる、そんなありがたい人ですよ」 ふくさんは、仕事への思いをこう語る。 「仕事は私にとって生活の一部です。これがなかったら、とっくにボケたり、死んでしまっていたかもしれないね(笑)。お客さんの顔を見たり、お話をしたりすることで元気になりますよ。これが私の天職なのかもしれないね。そう思えるってとても幸せなことなんだね。 これまでいいときも悪い時もあったけど、今は、まあいい人生だったと思いますよ。言いたいこと言って、やりたいことやって……(笑)。101歳まで生きるなんて、まさに『もうけもん』の人生ですね」 最後に若い世代へのメッセージを訊ねると、ふくさんはハリのある声でこう答えてくれた。 「朝からしっかりごはんを食べなさい。まずは食べることが大切よ。悩んだり悔やんだりしても、どうなるもんじゃないからね!」 食べること、働くこと、適度に体を動かすこと、そして人と接すること── 今日もふくさんは厨房で、元気にラーメンをつくり続ける。 (取材・文/アケミン 撮影/週刊現代編集部) 【さらに読む】『101歳のラーメン店員!週6回厨房に立つ「ふくさん」に会いに、全世界から客が訪れる理由』
アケミン、週刊現代