急増するJPNタクシー、現役ドライバーが明かす不満点「車内空間は広いけど」
クルマの周囲が見づらい
運転中もっとも苦労するのが、左後方の目視がかなり制限される点だ。理由は助手席のヘッドレスト付近に付けられた、お客さん用の大きなディスプレイと後席の窓がスモーク仕様なこと。ドライバーを守る防護板で左後方が歪んで見えることにより交差点で左折する際、左斜め後方からやってくる歩行者や自転車を目視しづらく、かなり神経を使う。 純正フェンダーミラーもなかなか曲者で、見える範囲が狭いという声が大きい。そこで左側のみ小さなミラーを付け足すことで視認性を向上させている会社が多く、KM(国際自動車)は独自の「ミラクルミラー」を開発し付け替えている。街中でJPNタクシーを見かけた時は、ぜひ注目していただきたい部分である。
車椅子に乗ったまま乗車できるけれど…
UD(ユニバーサルデザイン)タクシーなので、車椅子事お客さんを後席に乗車させることができる。できるのだけど、その手順がかなり面倒。簡単に説明すると、 (1)助手席を折りたたむ (2)後席左側座面を跳ね上げる (3)スロープを設置 (4)車椅子ごとお客さんを車内に入れる (5)車椅子が動かないよう固定 (6)お客さんにシートベルトをする (7)スロープを外し、片付ける 文字にすると簡単だが、(4)~(6)は結構時間がかかる。熟練者なら4分、通常なら10分近く。さらに、スロープを安全に設置するには、車の左側に3m近い平地のスペースが必要なので、乗降場所を探すのにも苦労する。片側1車線の道路でこれをやると、作業中後続車をずっと停めることになってしまうのも悩みの種。 何とかもっとよい方法がないかと思うばかりだ。
後席の座り心地と注意点
後部座席の座り心地は概ね好評だが、実は結構深々と座るタイプなので、前方の景色が見づらいとの声をよく聞く。これはドライバー側からも同様で、ルームミラーでお客さんの様子を確認したくても、小柄な人だとまったく見えないことが多々ある。中にはドライバーの視界に入りたくないと、運転席の真後ろに座る女性もいますがね……。 和服を着ている女性が乗ると、背筋をピンと伸ばして座ることを意識するせいか、シートベルト着用を拒否されることがよくある。さらに、座面が滑りやすいため、急カーブを通常スピードで走るとかなり辛いようだ。 なお、ハザードランプスイッチの位置は、ハンドルについている。筆者はこれが使いやすく気に入っているが、ベテランドライバーは昔の位置(ハンドル右側のコンビネーションレバー先端)のほうが良かったという人が多い。