【七夕賞】福島実績ありや小回り巧者が活躍 面白いのはボーンディスウェイなど福島民報杯組
7は必ずしもラッキーナンバーではない
7月7日、七夕当日に七夕賞が行われるのはレース史上5度目になる。7にまつわる馬券を探したくなるが、過去4回の七夕賞の勝ち馬の馬番は9、3、4、12番、人気は6、3、1、3番人気で、7枠の連対は1991年シーキャリアー1回しかない。七夕にひっかけて馬券がとれるほど、七夕賞は簡単ではないということか。データは過去10年分を使用する。 【北九州記念2024 推奨馬】複勝率77.8%の強力データ持つ伏兵馬あり! SPAIA編集部の推奨馬を紹介(SPAIA) 1番人気【1-1-1-7】勝率10.0%、複勝率30.0%と頼りないものの、2番人気【3-1-1-5】勝率30.0%、複勝率50.0%、3番人気【3-0-0-7】勝率、複勝率30.0%と人気どころがしっかり走る。さすがは馬券上手なファンが多い福島。たとえ混戦であっても人気のジャッジは大きく狂わない。それでも福島のファンが愛する七夕賞はすんなり決まらない。10番人気~【1-1-5-55】勝率1.6%、複勝率11.3%と3着の半数が二桁人気。馬券はきめ細かくしっかり詰めたい。 年齢別では4、5、6歳3勝ずつと互角ながら、頭数が少ない4歳が【3-1-1-18】勝率13.0%と確率上はリードする。5歳【3-5-3-30】勝率7.3%、複勝率26.8%、6歳【3-3-6-36】勝率6.3%、複勝率25.0%と年齢が上がるにつれ、2、3着が増える傾向だ。年齢順に組み立てるのも悪くない。
福島実績と小回り適性
近況で目立つのは新潟大賞典2着キングズパレスやメトロポリタンS2着レッドラディエンス、福島民報杯2着ボーンディスウェイあたり。昇級セイウンプラチナも差はなく、今年も混戦模様だ。 夏のハンデ重賞ながら、何気に格は大切で、前走重賞は【9-6-4-90】勝率8.3%、複勝率17.4%。その内訳は鳴尾記念【2-1-1-15】勝率10.5%、複勝率21.1%、エプソムC【2-0-1-17】勝率10.0%、複勝率15.0%、新潟大賞典【1-2-0-10】勝率7.7%、複勝率23.1%と5、6月の重賞出走馬が中心になる。中山金杯、京都記念、AJCCなど冬の重賞から飛んでくる馬に注意しつつも、直近の1800~2000m重賞出走馬を検討しよう。 小倉大賞典5着以来のフェーングロッテンは福島でラジオNIKKEI賞を勝っており、休養明けだからと軽視できない。前走GⅢは5着以内【2-3-3-14】、6着以下【4-1-0-47】で好走馬はもちろん、凡走馬の激走もある。新潟大賞典組はキングズパレス、リフレーミングのほかにノッキングポイントも候補だ。キングズパレスは中山3勝、リフレーミングは福島民報杯を勝った。どちらも小回り適性を感じる。ノッキングポイントは新潟記念Vなど広いコース中心で、福島で新味をみせるかどうか。エプソムC17着レッドランメルトは昨年の七夕賞は5着であり、3歳時に札幌、中山で3連勝と小回りを苦にしない。久々を叩かれ、一変してもいい。 前走オープン・Lは【1-4-3-20】勝率3.6%、複勝率28.6%。競馬場別では前走福島【0-2-2-3】複勝率57.1%とコースのつながりを感じる。福島民報杯組ボーンディスウェイ、カレンルシェルブル、ダンテスヴューは人気次第で穴馬候補に入れておきたい。反対に真逆のコース形態の東京は【0-0-1-8】複勝率11.1%と冴えない。メトロポリタンS組のレッドラディエンスなどは小回り、距離短縮とクリアすべき課題は多い。 福島に実績がある馬や小回りに適性を感じるタイプが多く、今年も七夕賞らしい難解な戦い。バビット、フェーングロッテン、セイウンプラチナら先行型の主導権争いも展開のポイントだろう。七夕賞はハイペースも多く、上がり最速は【1-5-2-4】勝率8.3%、複勝率66.7%と軽さが決め手にならない。先行【7-3-4-21】勝率20.0%、複勝率40.0%と急流を前で粘り込める馬が理想。この辺をヒントに勝ち馬を探そう。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木淳