子どもにスマホをいつ持たせる?寝るのは何時?名門小学校・前校長が教える、「家庭内ルール」を守らせるポイント
◆一度ルールを決めたら「例外」を作らない 一番よくないのは親が、何も考えようとしないことです。 行き当たりばったりで、「宿題しなさい」と言ってみたり、散らかっていることを急に指摘したりするのもよくありません。毎日淡々とやることが大切なのですから、毎日言い続けなければならないのです。 例えば4年生の息子からスマホをねだられたAさん。「何でも言うことを聞くから」「勉強しっかりやるから」と言われ「先に宿題をすませる」などのルールを決めたうえで買い与えました。 最初のうちは素直に守り、勉強にも真面目に取り組んでいましたが、次第に夜遅くまで勉強をしているふりでスマホをいじるようになりました。 注意すると、ベッドにまで持ち込んでメールやLINEをする始末でした。叱っても、取り上げると脅しても、その場限りになってしまいます。 しかし実は、母親のAさんが子ども以上にスマホに依存しており、片時も手放さない生活を送っていたのです。そんなおかあさんから、約束事を守れないなら取り上げると脅されても、説得力がありません。 この家では家族のルールになっていないのです。ゲームやスマホのルールを決めたら例外を作らないこと。そして親が手本を示すことが大切です。
◆迷ったら、大事にしたいことはなにか、に立ち返る 教育やしつけで困ったり悩んだりしたとき、両親が話し合うことなく、誰かの意見を聞くたびに、そのまま自分の子どもにあてはめて対処しようとするのは、賢い親のやることではありません。 親が真剣に悩む努力をせず、困難に立ち向かうことなく逃げてしまって、自分で判断せずに、なし崩しに事を済ませてしまうと、また同じような困難に当たったときに、同じように悩むハメになります。それでは親も子も成長は見込めません。 迷ったらそれぞれの家庭が大事にしている根本に立ち返る。まずは両親が話し合う。 先生に相談するのはよいですが、その場合にも、自分たちはこう思うのだが、ということをあらかじめよくまとめてから相談するとよいと思います。 これを忘れなければ多少の紆余曲折はあるとしても、自然に問題は解決に向かうのではないでしょうか。
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