《能登地震から1年》防災士が教える「備蓄の新常識」携帯トイレや非常食にカップ麺はNG
パスタ、小麦粉をローリングストック
食料に関してはローリングストック、つまりは普段から少し多めに買い置きし、古いものから消費して、消費した分を買い足していく備蓄法を行いたい。ただ、長期保存がきく食品でも、こまめに確認していないと、いざという時に賞味期限が切れていたりもする。 「カップ麺の保存期間は半年くらいと案外短いものが多いです。パスタやそうめんといった乾麺類であれば保存期間が2~3年と長いのでおすすめ。 ちなみに、パスタは3時間ほど水に浸けておくと、生麺に戻ります。後は1分ほどの加熱でこれをインスタントのコンソメに加えれば、おいしいスープパスタのできあがり。災害時にはカセットコンロのガスの節約も考えなければなりません」 小麦粉もストックしておきたい食材の一つ。 「水に溶いて焼くだけでシンプルな主食になります。ジャムやソースを添えれば意外とおいしくいただけますよ」 最後に草野さん、防災士としての立場からこんなアドバイスもしてくれた。 「昨年の9月の奥能登の豪雨では、亡くなった犠牲者の6割が“中小河川の洪水”で被災しています。国も対策を急いではいるものの、中小河川に関しては、ハザードマップにはまだ反映されていない地域も多くあります。 100年に1度、1000年に1度といわれる災害が多発しており、どこでどのような災害が起こるかわかりません。誰しもが防災の備えをしておくべきですね」 月に一度は「防災点検日」 □食品の日常備蓄はありますか? □期限切れのものはありませんか? □懐中電灯は用意していますか? □液漏れはしていませんか? □電池の予備はありますか? □収納場所は、家族全員知っていますか? □ティッシュペーパー、トイレットペーパー、ポリ袋、ぺーパータオル、消毒液、生理用品などの衛生用品は十分に備蓄していますか? □非常用トイレの準備はありますか? □家族全員分、家のトイレを災害用トイレに変更できますか? □家に帰れない時、外での「家族の集合場所」を決めていますか? お話を伺ったのは……草野かおるさん●防災士・イラストレーター。16年にわたり地域の防災勉強会や防災訓練などで防災活動に関わったことを生かし、役に立つ防災メモを4コマにしてブログで発信。その後、防災関連の著書も数冊刊行。 取材・文/千羽ひとみ