《能登地震から1年》防災士が教える「備蓄の新常識」携帯トイレや非常食にカップ麺はNG
断水には2Lのペットボトル1ケースを確保
「水」に関しては、実際にどれくらいの量を備蓄したらよいのか。 「2~3L×家族の人数×日数が備蓄の目安とされています。ですが備蓄スペースを考えると、普段これを実行するのはなかなか難しい。まずは未開封の2Lのペットボトル1ケースの備蓄から始めるのがよいでしょう」 まずは断水した、“3日間をどうにかしのぐ”を目標に備蓄しよう。 「自治体が発行している防災マップには、飲料水が入手できる給水所が必ず記載されています。近くの給水所を確認しておきましょう」 お風呂の水は、非常時を考えれば残しておきたい。 「下水管が無事であれば、お風呂の水でトイレを洗浄することができます。ただし、家の排水管、公共の下水道、下水処理場までが無事でないと流せません」 トイレ対策はペーパー類の確保を 「携帯用トイレが発売されていますが、1回限りの使い捨てで1つ100円もします。1日5回はトイレに行くことを考えれば、コスパ的には500ml吸収可能のペットシートのほうがおすすめ。 45Lのポリ袋にペットシートを入れ、それをトイレにセットして使用します。使用後は、ゴミ袋ごと処分します」 トイレ対策で注意しておきたいのがペーパー類の確保。 「何か非常時となった場合、店頭から消えるのがトイレットペーパー。コロナ禍でもトイレットペーパーの買いだめ騒ぎが世界中で起きました。トイレットペーパーのおよそ4割は静岡県で生産されています。 南海トラフ地震が発生したら、トイレットペーパーや生理用品等々の紙製品が不足することは避けられません。経済産業省も、1か月分のトイレットペーパーの備蓄をすすめています。 女性の場合は、生理用品のストックも忘れないようにしてください。支援物資として生理用品を用意している自治体もありますが、被災時にすぐに手元に届くかは定かではありません。 45Lのポリ袋は、ぜひとも備蓄しておきたいアイテムです。水害で下水が逆流、トイレから汚水があふれる前に水嚢(すいのう)で便器にフタをします。45Lのポリ袋を二重にして3分の1ほどの水を入れると水嚢になります。逆流を防ぐことができますよ」 ポリ袋は給水の際のポリタンク代わりにもできる。 「阪神・淡路大震災では、通常400円ほどのポリタンクが4000円で売られたとか。ポリ袋とショッピングカートがあれば、水は運べます」