パフォーマンス改善に悩むレッドブルF1。次戦オランダでも「大きな解決策が見つかるとは思えない」と苦戦を覚悟
今週末ザントフォールトで開催される第15戦オランダGPでF1の2024年シーズンが再開されるが、レッドブル・レーシングはいつになく不透明な見通しに直面している。モータースポーツコンサルタントのヘルムート・マルコは、チームがRB20のスイートスポットを見つけるのに苦戦していることを認めた。 【写真】2024年F1第14戦ベルギーGP 予選トップのマックス・フェルスタッペン(レッドブル) 現世界チャンピオンの優位性は最近のレースで崩れつつある。メルセデスとマクラーレンが強力なライバルとして台頭し、ハンガリーとベルギーでの過去2レースでは両チームが勝利を分け合った。マルコはレッドブルが直面している課題を振り返り、サマーブレイクによる強制中断が現在の状況の一因だと指摘した。 「サマーブレイク中は2週間何も進まないので、マシンの作業は一切不可能だということだ」とマルコは『SpeedWeek』に語った。 「問題を解決して、どこに間違いがあるのか突き止めなければならない。なぜなら最初の3レースと現在の状況を比較すると、マシンのバランスが取れていないからだ」 マルコは、マシンの問題に対する解決策を見つけることが重要だと認めたが、オランダGPまでに迅速に解決できるとは期待していない。 「どのくらい早く解決できるかを予測するのは難しい。ザントフォールトで大きな解決策が見つかるとは思えない」 「我々は集中的にブレインストーミングを行い、さまざまなアイデアも出している。しかし、何をどのように実施するかについてはまだ話すことはできない」 マルコは、今週末のザントフォールトでの予選は極めて重要だと強調した。高速サーキットでは、通常オーバーテイクのチャンスがほとんどないためだ。近年このコースで優れた結果を出してきたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、日曜日の勝利の可能性を最大限に高めるためには、土曜日の午後に力強いパフォーマンスを発揮する必要があるだろう。 「ひとつはっきりしているのは、ザントフォールトでの予選が決定的になるということだ。なぜなら、そこでは追い越しはほとんど不可能だからだ」とマルコは述べた。 「そしてマックスは最近同地で好成績を収めているので、優れた予選結果を出せる可能性は十分にある。オーストリアでもスパでも我々は最速だった。ハンガリーでは、100分の数秒が不足していただけなので、我々はすでに高いレベルにある」 しかし競争は激化してきた。ルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセルの活躍により、メルセデスは過去4回のグランプリのうち3回で優勝を飾った。こうしたライバルたちの復活により、レッドブルはシーズン序盤の調子を取り戻さなければならないという、いっそうのプレッシャーにさらされている。 今後のレースでは大きく異なる空力セットアップが要求されるため、次の4つのグランプリの週末は、レッドブルにとって正念場となるだろう。エンジニアリング責任者のポール・モナハンが指摘するように、これらの多様なコースから収集されるデータは、マシンパフォーマンスを理解する上で非常に貴重なものとなるだろう。 モナハンはF1のサマーブレイク前に、「我々はマシンのセッティング方法を心得ているし、常にある程度の自信を持って臨んでいる。『もしこうなったら、どうすべきだろう?』という疑問もある」とスパで説明した。 「しかしダウンフォースレベルが変化するザントフォールト、モンツァ、シンガポール、アゼルバイジャンといった今後のレースで、我々のマシンが実行可能なさまざまな構成でこのペースを維持できるか見ることができる。そして理解できるようになるだろう」 [オートスポーツweb 2024年08月21日]