右足粉砕骨折のタイガー・ウッズは復活できるのか…71年前にベン・ホーガン氏の事故から奇跡復活例も「引退の恐れ」の声
メジャータイトルを15度も獲得しているプロゴルファーのタイガー・ウッズ(45)が車横転大破の大事故を起こして両足を骨折、緊急手術を受けた。ウッズ自身が搬送先のハーバーUCLA医療センターの医師のコメントも含めてSNSで報告した内容によると右下腿と右足首の長時間にわたる緊急手術を受け、医療部長を務めるアニシュ・マハジャン医師の説明では、怪我の状況は、骨が2カ所以上折れていることを意味する「粉砕骨折」と、折れた骨が空気中に飛び出し感染症のリスクを伴うことを意味する「開放骨折」。脛骨にはロッドを挿入して安定させ足首の骨折はネジとピンの組み合わせで固定、また筋肉の被膜を除去する手術によって足の筋肉と軟部組織の圧迫を和らげた。 CNNによると「筋肉の被膜を切り離すという手術の判断は血流が切れて内圧が危険なレベルまで上がる事故の後に良く起こる『合併(感染)症』のリスクにウッズがあったことを示唆している」という。 現場に真っ先にかけつけたロサンゼルス郡のカルロス・ゴンザレス保安官代理が「生きているのが奇跡」と語ったほどの重傷を負ったウッズは、果たして復活できるのだろうか。 一般的には、ここまでの重傷を負った場合、通常の生活で歩行できる状況になるまでに数か月は必要。ましてアスリートとしての機能を取り戻すには、それ以上の時間が必要になるだろう。ゴルファーにとって右足は軸足となる生命線だ。 米ESPNは、さっそく「タイガーは怪我から回復してコースに戻れるのか?」との特集を組み、「まだ言及するには早すぎるが、彼は長く根気のいるリカバリーに直面する」と、その道のりが簡単ではないとの見通しを示した。 ただでさえウッズは、昨年12月23日に背中と腰の痛みと違和感を軽減するために5度目となる手術を行っており、昨年も新型コロナの影響で4月から延期され11月に行われたマスターズ以来、メジャータイトル戦の出場はなく、38位タイだった。ウッズは昨年わずか9大会プレーしたのみで世界ランキングも50位と低迷していた。ウッズは4月のマスターズを復活舞台に考えていたようだが、ESPNは「ウッズは昨年12月に腰の手術を受ける前の最後の公式なゴルフ行事となったPNCチャンピオンシップで12歳の息子のチャーリーとプレーしていた」と記し、その衰えを示唆した。 ただでさえ復活にいくつものハードルがあった。そこにプラスしてアスリートとして致命的な大怪我である。